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夏ホラーレビュー
た〜「何も無かったかの様に」
見てはいけない。感じてはならない。
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 身長が高かった主人公は偶然にも、近所に住む中年男性が妻の死体を刻む現場を目撃してしまう。こんなあらすじを耳にしたら、あなたはどんなストーリーを思い浮かべるだろうか。
 目撃者として犯人に命を狙われ、地の果てまで追いかけられる? 悲鳴をあげたら犯人が逃げてしまい、次々と事件が起こる? ……きっと、思い浮かべたどのストーリーにも当てはまらないに違いない。何故なら主人公は、殺人を理解してしまうのだから。

 まさにタイトル「何も無かったかの様に」、主人公は殺人を犯した人間と挨拶し、会話を始めることになる。そしていつの間にか貴方は主人公となって、追い詰められた人間の心の叫びを聞くことになるだろう。
 そのとき貴方は何を感じるのか。怒りか、哀れみか。
 しかし狂気はないだろう。貴方も主人公と同じように、いつの間にかその殺人を理解してしまうに違いない。それこそがこの物語の恐るべき魅力である。
 無意識に描かれた超問題作、ぜひ手にとって欲しい。

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あきゅろす。
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