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夏ホラーレビュー
eleven-9「捕獲器」

捕らわれてしまう。
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 夏ホラー作品群の中でも人気が高かった。
 逃れることの出来ない恐怖が、この物語にはある。

 夏ホラー2007という短編集を読んでいた主人公は「捕獲器」という作品を読んだあと、恐怖の体験をするのだが。
 四部構成、暗号の設置と、他のホラー短編にはないエンターティメントな工夫が施されており、ぐいぐいと読者を惹きつける。ありとあらゆる要素を使ってタイトルどおり読者を「捕獲」しようとしている。作者が全力を注いで設置した要素にきっと読者は恐怖を感じると思う。

 しかし読み終われば、随所に凝らされた恐怖の工夫などは大きな罠のほんの一部でしかなかったことに気付くと思う。罠の全体像は冒頭から既に存在しているのに読者は気付かない。飲み込まれてようやく、気付くのだ。
 もう遅い。きっと貴方はそう思い、ゾッとするだろう。

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