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夏ホラーレビュー
秋之「鬼の遊び」
それは神と鬼との残酷なお遊戯
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 日本に古くから伝わる民謡は、浮遊感のあるリズムでとても頭に残る。
 だからか、子供の頃に学んだものの多くは忘れてしまうのに、歌だけは大人になってもふと思い出す。懐かしいあの歌の意味は結局、なんだったのだろう。
 そしてその不気味さにようやく気付くのだ。

 鬼の遊びは、有名な「かごめかごめ」に独自の解釈を与えている。
 主人公は「かごめかごめ」の真の意味をしる一族の生き残りで、ある日をきっかけに命を狙われるようになった。そしてひとつのカルマにぶつかるのだが、そのカルマの不気味なこと。
 そう、この不気味さは民謡に漂うあの不可思議で掴みきれない不安に似ている。

 民謡の底知れない闇を匂わせながら、そこにファンタジックな設定を肉付け。加えて日本人が恐ろしい根源的な恐怖をミックスさせた。
 鬼の遊びは「かごめかごめ」という不思議な民謡。を神々の物語まで昇華させることに成功している。だからこそ、面白い。

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あきゅろす。
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