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安価対戦スレジャッジ
チルノ(アドベント)、レミリア(カリスマ)、ガチバトル
One Night Standの『ADVENT CIRNO』の設定をお借りしてお送りします。

あらすじ。
 紫社長の思い付きにより森羅カンパニー主催で武闘大会が開催。優勝者には何かすごい感じの商品が出るらしい。そしてその大会に出場した元森羅カンパニーソルジャーのチルノは、順調に勝ち抜き準決勝に進出した。対戦相手は飛空挺紅魔艦を統べる空賊、レミリア・スカーレット。チルノはこの闘いに勝利することができるのか!?


「試合開始!」
 審判の号令とともに両者は得物をとる。
「合理的な構えね。」
 特等席から試合を見守る紫はチルノの構えを見てそう評価を下した。チルノは当たり剣を右手、スイカソードを左手に持ち、左足をやや前に出した半身の構えを取っている。レミリアの得物は槍。剣と槍では、間合いにおいて圧倒的に槍に分がある。一方で間合いを詰めてしまえば槍よりも剣の方が有利である。そしてチルノの構えは、後の先を取るのに適した構え。つまり、左手のスイカソードで相手の攻撃を弾いて間合いを詰め、右手の当たり剣で攻撃することを念頭に置いた構えだ。
 一方でレミリアは、グングニルを左手に持ち、正面を向いて両手をだらんと下げている。つまり構えていない。一見隙だらけだ。
「構えないの?」
「たかが氷精相手に構える必要があると思う?」
「舐めてんじゃないわよ!」
「舐めてるのはそっちでしょ。」
 言葉と共にレミリアの雰囲気が一変した。レミリアの体から覇気が放たれる。いや、それは覇気というにはあまりに禍々しい。瘴気といったほうが近いかもしれない。瘴気に中てられてチルノの背中を汗が伝う。
「はぁぁぁぁぁ!」
 チルノの口から烈迫の気合がほとばしる。無意識の裡の咆哮だった。敵の存在の大きさに呑みこまれそうになるのを、辛うじて拒絶するような。
 その気合の儘に作戦も忘れてチルノはレミリアに切りかかる。しかしそれは難なく避けられる。もしレミリアが最初から構えていたら、切っ先がレミリアに届く前にグングニルがチルノの体を貫いていただろう。続けて何度か打ち込むが、全て軽々といなされる。
「どうしたの?もう終わり?」
 いったん間合いが開き、レミリアが問う。
「まだよ!」
 そう言うとチルノはスイカソードの刀背で自分の頭を打った。
「これで目が覚めたわ。」
 硬くなっていた。相手に呑まれていつも通りの力が出せていなかった。後の先を取るとか難しいことを考えるのは止めだ。いつも通り正面から突っ込む!チルノは当たり剣とスイカソード、そしてさらに背負っていた数本の剣を組み合わせ、そして組み合わせてできた剣、バスタードチルノソードを正眼に構える。
「この剣は最強の盾っ!あたいはレティと約束したんだ!最強の矛をも殴り飛ばす最強の盾になるって!」
「ふふ。まだ楽しめそうね。我が槍こそ幻想郷最強の矛。万が一私を殴り飛ばすことができたなら、最強の盾を名乗るがいいわ。」
 雰囲気の変わったチルノを見てレミリアは微笑み、初めてまともな構えを見せる。そしてお互いにじりじりと間合いを詰めていく。

 先に動いたのはレミリア。チルノの間合いに入るより前に神速の突きを繰り出す。精神が極限まで研ぎ澄まされていたチルノの目にはその突きがスローモーションで映る。チルノは紙一重で避け、レミリアの懐に入った。レミリアは渾身の突きを外し体勢が崩れている。レミリアが体勢を立て直すよりチルノの剣の方が速い。

 もらった!!

 チルノがそう思ったとき、チルノの視界は吸血鬼の拳で覆われた。体勢が崩れたまま、膂力のみを頼りに放たれた拳。圧倒的な身体能力を有する吸血鬼にしかできない、無茶な力技。チルノはレミリアの拳を受けて昏倒した。

「勝者、レミリア!」

 審判の声が空に響いた。



 いくら主人公補正がかかっていようと氷精が吸血鬼に勝てるはずがありません。

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あきゅろす。
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