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SS by astra
魔女は魔女ゆえに少女に恋する 魔女が2人
超お久しぶりです(・ω・`)
リハビリがてら短いの書いてみました。




「私ね、魔理沙が好きなの。可笑しいわよね、こんなの。女同士なのに。」

 そう彼女は言った。今にも泣き出しそうな表情で。だから私は言ってやった。それはちっとも可笑しなことではないのだと。

 それは魔法使いが魔法使いである証なのだから。

 原初のむかし、あの品行方正は暴君は、自らにつき従う者たちに、4つの塩基でもって祝福の絶対命令と呪いの絶対服従を刻んだ。

 呪いの絶対服従。それは原罪。
『あなたは、顔に汗を流して糧を得、ついに、あなたは土に帰る。』
 人は、この呪いゆえに生を苦しみ、救いを求める。そこにあいつは手を差し伸べるのだ。哀れな子羊よ、私があなた方の罪を救って差し上げましょう、と。人々はその手にすがり、感謝し、崇める。
 何たる傲慢。自分で呪っておいて、それを救って『差し上げましょう』だなんて。虫唾が走る。
 私たち魔法使いは、この呪縛から逃れるために、遺伝子から原罪を削り取った。だから魔法使いは、嗜好として食事をすることはあっても、生きるために食事をする必要はない。
 あいつにすがって生きる必要なんてない。
 
 原罪と同時に魔法使いは、原初の祝福も遺伝子から削り落とした。当然だ。あいつの施した祝福も削らなければ、本当の意味であいつから解放されたことにはならない。

 祝福の絶対命令。それは繁栄。
『生めよ、増えよ、地に満てよ。』
 人間は、この祝福により、生み、増え、地に満ち、今や世界を支配するに至った。
 祝福された人間は、地に満ちるために増える。増えるために生む。そして生むために、雄と雌のつがいをつくる。そうあるべく、刻み込まれているのだ。

 しかし祝福を削り取った魔女には、雄と雌のつがいを作るという本能が欠落している。ゆえに魔法使いにとって、恋愛の、あるいは性的欲求の対象が同性であろうとごく普通の出来事でしかない。
むしろ考え方の異なる異性より、より近しい思考をしている同姓に惹かれる方が多いくらいだ。
 ただ、魔法使いも不老不死ではないから、全く生まないのでは滅んでしまう。だから魔法使いの間でもつがいは男女で作ることが望ましいとされている。
 こんな風潮があるから、彼女のような若い魔法使いは悩むのだ。女が女を好きになるのなんて、全く可笑しなことじゃあないのに。

 彼女、アリス・マーガトロイドにこの知識の魔女が教えてやろう。それは全く可笑しなことではないのだと。

「それは全く可笑しなことではないわ。現に私だって、貴女のことが好きなのよ?」 

はい、めでたく三角関係成立です。
物語というか、考察ですね。

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