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温かに包まれて。

寒さを与える微風さえ、あぁなんと愛しい。
そうして何度求めたか。





「寒い…」



自然と零れる言葉は、然り気無い合図と見做す。
僅かに触れた行き交う指先を、ここぞとばかり同じポケットへ。



「フフ一…」



その時君は確かに微笑んだ。

あまり多くは語らない君だけど、これが嬉しい事ならば。
調子に乗っちゃうよ?

君の笑顔がもっと見たい。





「キャッ!?一…」



何枚重ね着したって、防げない寒さの風には太刀打ち出来ない。
けど、君を隠しちゃえば 問題ないでしょう。



ぎゅっとぎゅっと。
潰れないよう大切に抱き締めながら、君が笑えるよう包み込んで一…





「ありがとう」



その言葉を聞く為に。

その笑顔を見る為に。













あきゅろす。
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