WOOL 100%
温かに包まれて。
寒さを与える微風さえ、あぁなんと愛しい。
そうして何度求めたか。
「寒い…」
自然と零れる言葉は、然り気無い合図と見做す。
僅かに触れた行き交う指先を、ここぞとばかり同じポケットへ。
「フフ一…」
その時君は確かに微笑んだ。
あまり多くは語らない君だけど、これが嬉しい事ならば。
調子に乗っちゃうよ?
君の笑顔がもっと見たい。
「キャッ!?一…」
何枚重ね着したって、防げない寒さの風には太刀打ち出来ない。
けど、君を隠しちゃえば 問題ないでしょう。
ぎゅっとぎゅっと。
潰れないよう大切に抱き締めながら、君が笑えるよう包み込んで一…
「ありがとう」
その言葉を聞く為に。
その笑顔を見る為に。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!