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Novel
マイブーム
ウルがはまりだしたものが虚夜宮を大変なことに・・・

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がーががが。


ぎゅるるる。。。ががぁ〜




朝、何やら厨房からすさまじい音がこだましていた。


ウルキオラを探していた途中だったが、
その音があまりにすさまじいもんで気になって厨房にピョコっと顔を出した俺。



「って・・・ウルじゃねぇか!!」



厨房にいたのは目的の人物・ウルキオラ。



「なにやってんだそんなトコで・・・それ何だ?」



俺が何か機械みたいなものを使っているウルキオラに近づくと、
ウルキオラは「グリムジョー。ちょうど良かった」と言って
グラスを差し出してきた。



「なんだぁ?コレ・・・」



それを手に取ってまじまじと見つめる。


グラスの中には何やらどろどろした液体が。。。




「ミキサーを使ってジュースを作っているんだ。
どんな組み合わせが美味いか研究してるから、少し味見をしてみろ。
心配するな。下剤や媚薬は入れてない」



イヤイヤ、誰もそんな事心配してねぇよ。。。


てかお前どこで媚薬とか覚えたんだよ。





俺が心配しているのは、純粋に味のほうだ。



確かウルキオラは超絶料理がヘタなはず。。。
ヘタっていうかもうアレは逆にすごい。


どうやったらあんな味にできるのか、と思うくらい。。。
とにかくウルキオラの料理は殺人的にマズい。



ってことはこのジュース。。。
もしかして下剤や媚薬以上に強烈だったり。。。



そこで俺は、ん?と気づいた。



待てよ?
ミキサーって材料入れてスイッチ入れるだけだよな??


ってことは作る奴の腕とかあんまり関係ないんじゃ。。。



てことはひょっとしてこれ、マズくないかもしれない。
それどころか運が良ければ美味いかも。



この液体の色も、悪くは無い。




隣でウルキオラが早く早くと目を輝かせてもいるし。。。
俺は覚悟を決めてグラスに口をつけた。



そして一気に。。。




ごくん


ごくん




瞬間、俺の舌は麻痺したように思った。




甘い。。。いや辛い。
でもしょっぱくてヒリヒリする。





「ぅ゛・・・ぉ゛おおお」



どうだ!?と落ち着かない様子で訊いてくるウルキオラ。


訊かなくても分かるだろ。。。この俺の状態を見たらよ!!



そう言いたかったが、
俺は声帯まで潰されたような錯覚の所為で言葉を発することができなかった。。。






「ウ゛るキオ゛ら・・・お前・・・これ何を使った・・・!?」


「これか?シュークリームと納豆とワサビとキュウリだ」



なっッ。。。なんじゃそりゃぁああ。。。




そこで、俺は意識を手放した。。。











「あ!グリムジョー起きた!!」


「ロイ・・・イールフォルト・・・
シャウロン・・・」



気づくと俺は部屋のベッドに寝かされていて、
部下に囲まれていた。



「大丈夫ですか?グリムジョー」


「・・・フワフワする・・・それに・・・
口が焼けそうだ・・・」


「無理も無いよ。ウルキオラの殺人ジュースを飲まされたんだから」


「なんだお前ら・・・知ってんのか」


「最近ここでは話題になっている。
数々の犠牲者がいるそうだ」




ハナシによると。


最近ウルキオラはミキサーにはまっている。
厨房にこもってジュースを作り続けているらしい。



そしてそのすさまじい音に訪れた者は。。。地獄を見ることになるのだ。



キラキラ上目遣いに断りきれず、
皆グラスに口をつける。


そして後は、俺のように床に伏すことに。




「とにかく早くやめさせないと、十刃が減っちゃう」


「ああ。そうなる前に止めなければな・・・でもあの強敵をどうやって・・・」


「何だ・・・お前らはまだ餌食になってねぇのか?」


「うん、俺達は厨房に近寄らないようにしてたから・・・でもシャウロンが・・・」



ロイとイールフォルトがシャウロンのほうを見る。



どうやらシャウロンは飲まされたらしい。



「はい、私はバナナとキムチとえんどう豆のジュースをいただきましたよ・・・」





うわー、地味なダメージだがきついな。。。



「ほかにも東仙統括官が蜂蜜とニラとクレヨンのジュースを飲まされたり・・・」


「クレヨンって、食べ物でもねぇじゃねーか!!」


「ゾマリがレモンと魚とアップルパイのジュースを飲まされたり・・・」


「アップルパイって、普通ミキサーにかけるか?!」



うわあ〜、マジで同情。。。
って俺も同じことされてんじゃねぇか。
とにかくウルを早く止めねぇと、大変なことになる。


俺は部下をつれて、ウルを探しに出向いた。



「でもグリムジョー、ウルキオラは凶暴ですよ」


「んなこたぁ解ってんよ・・・」


「まさかグリムジョー!」


「ああ、俺が死んだら後は頼むぜ・・・」


「そんな!身を挺してまでこの虚夜宮を護ろうと!?」


「いつの間にそんな逞しくなったんだよ!グリムジョー!!」


「フッ、いいんだよ。ウルに殺されるなら本望だっての・・・」





「あ!ウルキオラ!!」


「なにィ!?」



突然のロイの叫び声に、俺達は一勢に振り返った。


「藍染様と何か話してる!!」



少し遠ざかったところから、様子を見守る俺達。







「藍染様、気分転換に紅茶意外のお飲み物を飲まれませんか」


「ウルキオラ、珍しいね。君がそんなことを言うなんて」






「何か、嫌な予感がしませんか・・・?」


「気のせいだ、シャウロン」







「ジュースを作ってみたのですが、飲んでいただけますか」


「君が作ったのか。ありがたく頂くよ」


「ありがとうございます」






なぬぅぅぅぅぅううう!!?





俺は咄嗟に走り出した。


「ああああ藍染様、それはダメだぁぁぁああああああッ!!!!」





時既に遅し。





藍染の喉が上下した。










その後。


藍染は原因不明の食中毒でトイレから出られなくなった。


それは一週間続いている。



統率者がいない今、虚夜宮は荒れ放題。
そして犠牲者も未だ増え続けている。


虚夜宮の未来やいかに。




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