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Novel
間接ディープキス
グリとウルが飴を口移しするだけの話。バカップル。

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「うわッ」


突然腰のあたりに感じた感触に、
グリムジョーはおもわず声をあげた。



下を見てみると、少し予想はしていたが・・・


ウルキオラが、グリムジョーのポケットに手を入れていた。



「・・・ったく、急に入れんなよなぁ」



「飴・・・ない・・・」



沈んだ声を出すウルキオラに、
グリムジョーは一瞬目を見開く。



ウルキオラの顔は小さな子供がそうするように、
しゅん・・・と沈んでグリムジョーの胸をつつくには充分だった。



「飴・・・ほしい・・・今日は無いのか?
いつもここに入ってるのに・・・」





グリムジョーはいつも、ポケットに飴を入れていた。
ウルキオラのために。



寂しそうにしているときや物足りないような顔をしているとき、
ひとつだけポケットからそれを取り出して、小さな口に入れてやる。


そうするといつもウルキオラは、嬉しそうにした。
ウルキオラはグリムジョーが口に入れてくれる飴が大好きだった。



時々こうしてポケットを漁ってきたり、
「飴食べたい」と言ってくるときがあった。





ポケットから手を抜いて俯くウルキオラを見て、
グリムジョーはフ、と笑った。


小さな身体の前にたって中腰になり、
ウルキオラと目線を合わせる。




「俺がお前の飴、忘れると思ってんのか?」


「え、だって・・・ない・・・」


「コッチに入ってるっつの。」



グリムジョーはウルキオラが手を入れた反対側のポケットから飴を2つ、出した。
目の前に差し出された飴に、ウルキオラの目が輝く。




グリムジョーはうっすらと微笑んだままその包みを開け、
中からビー玉のように綺麗な翡翠の色を取り出した。



「お前の目ン玉みてぇだな、コレ。
お、いーこと考えた。ほらウル、あーんだ」



グリムジョーの言葉に、素直にあーんと口を開くウルキオラ。


その中に翡翠の飴を放り込んで、
もう1つの包みを開けるグリムジョー。




中から出てきたのは、
空と海の色。


ウルキオラは口の中で飴を転がしながら、
それをじっと見つめ、
「お前の目みたいだな」といった。



グリムジョーは自らの口にそれを入れ、
ウルキオラに言った。



「今俺の口の中にあるのが俺の味。
お前の口の中にあるのがお前の味だ」


「うん」


「かえっこしよーぜ」



そう言うとグリムジョーは、ウルキオラに顔を近づけた。
なにをするつもりか分かったウルキオラは、自分も踵を上げて近づいた。



一瞬だけ唇同士が触れ、
グリムジョーの空色の飴がウルキオラの口の中へ。


「・・・いつものより甘いぞ」



口いっぱいに広がるグリムジョーの味。
いつも食べるのよりうんと甘くて美味しい。



「ほら、次、お前の番だぞ」



グリムジョーがそう言った直後。
小さな身体が背伸びして、グリムジョーに近づく。



グリムジョーの口の中に、翡翠の色が放り込まれた。



「お前のも、いつものより甘ぇな」



二人で、照れるように笑った。






グリムジョーの口の中で翡翠が、


ウルキオラの口の中で空色が、



更に甘い味を生み出していた。


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バカップル・・・。
ただ飴ごときで喜ぶガキんちょなウルと、
ウルの為にポケットに飴を常備しているグリが書きたかったんです。



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あきゅろす。
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