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Novel
Sweets and Magic
ハッピーハロウィン!!
ことごとく甘いです。

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わいわいと騒がしい虚夜宮。
甘い香り。
様々な衣装に身を包んだ破面達・・・。


そう、今日は10月31日、ハロウィンだ。

藍染が現世の行事をここにも取り入れたとか。

めんどくせぇけど、暇だしまあいいや。
そう思い騒がしい部屋をウロウロするグリムジョー。


ところで。
肝心の想い人・ウルキオラはどこに行ってしまったのだろうか。


「お菓子を貰ってくる」

と珍しくはりきって、大きな籠を持って部屋を出て行ったきり、
姿を全く見せない。


すると、グリムジョーはどしん、と誰かにぶつかった。

「すまん、グリムジョー」

「・・・誰だ?」


そいつは体中包帯でぐるぐる巻きになっていて、
見えるのは目元くらい。


じっと相手を見つめると、
包帯に包まれた胸元が恐ろしいくらいに膨らんでいることに気づいた。



「その乳からして、ハリベルか・・・ぐぼッ」

容赦ないチョップをくらい仰け反るグリムジョー。


「お前は人をそんなトコロで判断していたのか」

「・・・いやそうじゃねぇけど・・・ウル知らね?」



血の流れる鼻を押さえながら、
グリムジョーは彼女に問うた。


「ああ、あの子なら」

ハリベルが指差した先を見ると・・・



「・・・・・・!!」


愛しのあの子が、
すぐそこに、



ひらひらのマントを羽織って、

大きな帽子を被って、

小さな杖を持って、

短いスカートを履いて、

紫と黒のしましまのニーハイに包まれた細い脚を見せつけながら、

いたのだ。






「ぶふッ・・・!(鼻血」

「グリ、こんな所にいたのか」


ちまっと立っているその魔女に、
グリムジョーは鼻血を吹きちらした。


「汚い・・・それより早く菓子を寄越せ」

「あ、ああ・・・菓子?」


ウルキオラが差し出してきた籠は、
グリムジョーの部屋を出た時は空っぽだったのに、
お菓子で底が見えないくらいになっていた。


「おう、お前いっぱい貰ったなぁ。
そりゃ、そのカッコでいたら誰でもやりたくなるだろうしな」

「?この服か?これは藍染様が着ろと、仰ったのだ」


グリムジョーは「藍染」という名前に多少気分を悪くしたが、
今回は都合が良かったので黙っておいた。



(あの変態オヤジ・・・許してやるのは今回だけだからなっ)



そして彼は、ウルキオラにあげるお菓子が手元に無い事に気づいた。


「あ、悪ィウルキオラ、今なんも持ってねーや」

それを伝えるとすぐにウルキオラが頬を膨らませる。


「怒るなって。そうだ、ウルキオラちょっと来い」

「?」

ウルキオラの手を引っ張って、
自宮のほうに向かう。


「なにをするんだ?」

「ああ、どうせなら今から作ろうぜ」

お菓子を作るのか?!
と目を輝かせるウルキオラ。


お菓子を一緒に作ろう、と言ったのは、

魔女ウルを自分以外に見せたくなかった、
というのもあるのだけれど。




それから二人でパンプキンケーキを作って食べて、
グリムジョーの部屋で騒いで。

途中でロイ達が来てしまったけど
二人でケーキを食べるには少し多かったから良かった。



グリムジョーは思った。
こうやって部屋で皆で騒ぐのも、悪くないと。


そして楽しかった時間は過ぎ、夜。

再び二人きりになったグリムジョーとウルキオラ。

ベッドの上で絡み合っていたら、
だんだんそんな雰囲気になってきた。



魔女の帽子を外し、
ウルキオラの顔を自分の方に向かせるグリムジョー。


「ウル…」

「ん…」


そっと顔を近づけて、
唇を合わせる。


本当に、触れるだけ。

マシュマロのように柔らかくて、甘いウルキオラの唇を感じる。

ウルキオラもまた、
グリムジョーの熱を感じた。


ちゅ、と可愛らしいリップ音をたてて唇が離れると、
どちらともなく身を寄せ、抱き合った。


「こうしてると、落ち着く」

グリムジョーの胸から顔を出し、ウルキオラが言った。


グリムジョーは嬉しくなって微笑み、
ウルキオラの後頭部を支えながらゆっくりとベッドに倒れ込んだ。


組み敷くような体勢になり、
ウルキオラの首元に顔を埋める。


すぅ、と匂いを吸い込むと、大好きな香りがグリムジョーを満たした。


「ふ、くすぐったい…」

身をすくませるウルキオラが可愛くて、
グリムジョーはその首筋にペロペロと舌を這わせながら身体の至る所をくすぐっ
た。


「ふふ、あ、ちょっ…やめ、ふはは」

耳を甘噛みし、腹を、腋の下をくすぐると、
ウルキオラは漆黒の髪を振り乱しながら悶えた。


「ウルって、コチョコチョすげー効くよな」

「ひゃ…グリ、も…無理、降参、降参」


ウルキオラがギブアップすれば、
グリムジョーは一度手を止める。


ウルキオラは乱れに乱れて、
両腕は頭の上に、
脚は大きく開いてしまいスカートから思い切り女物の下着を覗かせていた。


その脚の間に入って身体を密着させている自分の体勢に、
まるで最中のようだと思った。


実際その気にはなってしまっていたけど。今日は…


「…するのか…?」

「今日は…しない」


ウルキオラのしましまのニーハイの上から内腿をさすりながらの言葉は、
少し怪しいけれど。


今日は、疲れた。


そのまま目を閉じると、

ウルキオラがグリムジョーに。


ずっと一緒にいれるように、と
魔法をかけた。






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