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桜の君


どうして そんなにも
生き急ぐのでしょう
風に舞う薄紅は
音もなくはらはらり

久しく色褪せぬ
想いは愛しさに
たゆたう夢の中
あなたの記憶巡る

咲くやこの花
今一度の逢瀬よ
もう少しでも長く
淡いその香を
刻みつけて散りゆく
時の河に抱かれて


朝露 陽のひかり
若葉は色深め
花盛り後はただ
風任せにひらひらり

ひととせ待ちわびて
刹那の夢交わし
無常のうつつでは
もうすぐ季節巡る

咲くやこの花
今愛しの君影
春吹雪の向こうに
揺れつ揺られつ
浮き世覆い隠せば
いずれ失せゆく色よ


咲くやこの花
今たおやかな春風
どうか連れ去らないで、

咲くやこの花
今一度の逢瀬よ
もう少しでも長く
淡いその香を
刻みつけて散りゆく
時の河に抱かれて

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あきゅろす。
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