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美男美女




『美男美人』





ベリッとナイロンの袋を破る。
今さっき買ったばかりのサンドイッチを取り出し、私は雑誌を広げた。

最近の出来事やニュースを載せているページを従来の中に立つ建物の柱の下で読む私、ふいに左側から陰が落ちる。


おや?美形。と私は思った。
建物に背を向けるように柱に寄り掛かる、黒いしなやかな髪と宝石みたいな琥珀の瞳をした年齢…14〜6歳?の男の子。(大人びているが、かなり若いと推察した)

見ればその子は辺りをキョロキョロしたり時折時計を見たり…その様子からピーンと察する。



「よぉ!坊や!彼女と待ち合わせかい??」



声を掛ければ男の子の肩が小さく跳ね、こちらに目を向けた。
突然(男の子から見て)右側から柱の下で座り、サンドイッチを頬張りながら雑誌を読んでいたお姉さんに声を掛けられたのだ。驚くと言っちゃ驚く。

ニヤニヤと見上げる私に男の子は「はぁ…」と戸惑いながらも答えてくれた。



「此処で待ち合わせをしていて…時間よりだいぶ早く着いてしまいました」

「おーおー!待ち遠しくて早く来ちゃったってヤツ?初々しくて良いねぇ〜」



私がそう茶化すと男の子は「色々あって、初デートなんです」とちょっと照れたように言う。



「彼女のお陰で、俺はこうして知らない人とでも話せるようになりました。…昔は近寄りがたいぐらい相手の事を無視してましたから」

「そっかぁ、彼女さんに感謝だね。初デートしくじるなよぉ〜?」

「ハハ、勿論」



話してるうちに向こうから女の子が慌てたように走って来た。

オレンジのサラサラとした綺麗な髪とサファイアブルーの大きな瞳が美しいかわい子ちゃん。
あぁ、この娘が彼女さんだなと談笑する二人を見て私は思う。




「ねぇ!」




お辞儀をして去ろうとする二人を私は一回呼び止めた。



「次会った時はお二人のラブラブエピソードを教えておくれよ♪」



ニィと笑った私の言葉に二人は顔を真っ赤に染め、ニッコリ微笑んだ後もう一度お辞儀をして去って行った。












…美男美女を見送り、私の目は再び雑誌に向く。

そこには『無人の惑星から無事帰還した平均年齢14歳の少年少女達』のニュースが大々的に載っていた。






「へぇ〜、今時の子にしては逞しい子達がいたもんだ」






そう呟き、私はサンドイッチに喰い付いたのだった。











END
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
今までにない小説を書いてみようと、サヴァイヴキャラには全く関係ないお姉さん目線でカオルナ。
名前出せない上敬語なので誰か分かりにくいですがカオルさんとルナちゃんですよ;;;

お姉さんは完全『第三者』を目指したつもりです。


しかし…カオルナと分かりづらい;;
またやる機会があればもう少しカオルナを分かりやすく書きたいです。


20100727



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