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私立聖柳学園
6


双子発言にハアハアしつつ

氷室、じゃ呼び辛いでしょうから普通に僕たちのことは名前でいいですよ

なんて言われ
じゃあそうするかなんて考えていると


「おい、澪!!!!」

瀬さんが思いきり顔を歪めつつ澪を睨んでいた

「何ですか?」

「何で俺はこんな殴られてるんだよ!!」

まあ正論だよな
俺も何で瀬さんがこんなに殴られてるんだかわかんないし
てっきりいつもこんな感じかと思ってたんだけどなんか瀬さんの反応的に違うみたいだし



そんなことを考えていると澪さんが呆れたようにため息をついた

「……瀬」

「な、なんだよ」


静かに、でもどこか咎めるような声音に少しばかり焦る瀬さん


「貴方の仕事は何でしたか?」

「は、仕事?」

一瞬なんのことだという顔をした瀬さんはハッと気づいたように口を開いた

「え、と………編入生を迎えに行くこと?」


へー…………って、ん?

編入生?
それって俺じゃん!!!!!


「でもよ?編入生はまだ来てないんじゃねーの?」

本当にそう思ってる風に言う瀬さんに澪さんがもう一度深いため息をついた

「あなたの耳は飾りなんですか?

城宮颯くん
この子が編入生ですよ」


はいそーでーす
なんて言える空気でもない

瀬さんはなんかめちゃめちゃ驚いてるし

え、ちょ
なんで?


「颯ちゃんが編入生!?
あの、全教科98点以上とって、かつ5教科中3教科満点の!!?」

あ、そういうことか
なんて納得しつつ
そのことは初耳だったのか亜唯まで驚いている

「自分頭めちゃくちゃええんやな……」

どこか呆けたようにいう亜唯はなんかすっごく可愛いと思う

もっとガリ勉っぽい真面目な奴だと思ってた………

なんて呟いている瀬さん


む、なんて失礼な

「え〜……なんかその言い方ってひどくない?俺真面目だよ〜……」

「「いやどこが!?」」

そこでハモんないでよ
息ぴったりだなぁ

ハモった瀬さんと亜唯はいまだに呆然としている


「………澪さん澪さん」

「はい、何ですか?」

「俺ってどんな感じに見えてるんですかね」

「あ〜……おそらくタチにもネコにも好かれそうな感じですね」

ニコッといい笑顔で言われる

いやいや、そう意味で聞いたんじゃないんですけどね!?
あとそれはないと思いますけど

そう思いはしたが
口には出さなかった







これが
俺がこの私立聖柳学園に編入してきた日の出来事です


これからどんなことがあるんだろう
そんなことを考えて期待に胸を弾ませた



もう一度与えられた人生
後悔をすることもたくさんあるだろうけど
精一杯生きたいと思う

そして
例えあの子に二度と逢えなくても
私はあの子が大好きだからね
俺になっても忘れないよ



そう考えていただけに
あの展開には俺もすっごく驚いたよ


………大好きだよ


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