[携帯モード] [URL送信]

私立聖柳学園
2


ようやっとたどり着いたぜ…………


そう呟き顔を上げる

目の前にはこんなにでかくてどうするつもりだってくらい巨大な門がある

ここまで来るのに山を車で数時間登り続け
着いたと思えばこの巨大な門

「やっぱすげーなぁ……想像以上」

そう彼は呟き
口角をにいっとつり上げた
「やっばい!!妄想で鼻血が出そう」

その端麗な顔で綺麗な笑みで彼……颯は悶え始めた

「やっばい!!やばい!!念願の男っ子っ校!!!!!!」


そう
彼は所謂
『腐男子』ってやつなのだ
正しくは腐女子が男になったというか…………




俺、颯は前世の記憶を持っている
というかよくわかんないんだけど
生まれ変わり?みたいな?
あの日………俺、いや私は
いつも通り高校の友達と遊んでた
だけど帰り、車が嫁(親友)目掛けて突っ込んできて

それを庇おうとして………一緒に轢かれちゃったわけ
あの子の安否もわからず
多分、即死だったんだろうな…………って思う

でね?
本題はこっからなんだけど
轢かれて頭が真っ白になって
ああ………私死ぬんだな〜
って思ってたら
次の瞬間赤ん坊の泣き声が聞こえたんです

私、生きてるのかなって
赤ん坊の声を聞きながら客観的に思ってたら

「生まれましたよ!!!!旦那さん!!かわいい男の子です!!!!!!」

へ〜………生まれたんだ
おめでとうございます

なんて考えていたら
いきなり浮遊感に襲われて口を開いたら

「ぅあ………ぅぅ……っ」

言葉とは程遠い声が口から漏れた

……………!?

そこで気づいた
目の前の小さな手
口から出る赤ん坊のような声
先ほどは聞こえていた赤ん坊の泣き声

すべてがすべて
自分のものだと

そして目の前で笑っている……ぐぁ、イケメン

な男の人が父親で

ベッドで疲れたようにでもとても満ち足りたような幸せそうな顔をしているこの綺麗な人が

母親なんだって
理解した


ああ………やっぱり私は死んだんだなって
もう二度とあの日々には戻れないんだって

理解して
泣いた
赤ん坊だから泣いたって普通だし
ばれないから
泣いた
ひたすら泣いた
泣いて泣いて泣き続けた

もう二度と逢えないであろうみんなを、彩夏を思いながら


まあそんなこんなで立派に成長した俺ね

いつまでもうじうじしてらんないし
あの日々は大切に俺の中に残しておいて
新たな人生を過ごすしかないよね

こっちの両親は世界的に見て3本の指に入るほど超大手会社を経営してる

父様は仕事もできるしかっこいいし優しいしで部下からも誰からも慕われている
母様は父様を手助けしつつ母様の実家の城宮家の跡取り………俺ね
を育てなきゃいけないんだって

俺には兄様がいて
兄様が父さんの会社を継ぐみたい

で、武道の名門中の名門である城宮家は俺が継ぐってわけ


両親も兄様もとってもいい人たち
毎日がとっても楽しいです

だがしかし、男に生まれ変わったからにはやり遂げなくてはならないことが俺にはある

それは……………




「や〜これで生BLを見ることができるんだ〜」

男子校で生BLを見ることさ!!





[*前へ][次へ#]

2/11ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!