[携帯モード] [URL送信]

私立聖柳学園
3



「ここが職員室だよ」

ここに来るまでに結構色んな人達の視線を感じたけど
気にしな〜い

職員室を指して悠斗に視線を送る


「ありがとな、颯」

悠斗に無邪気な笑顔で返され
俺悶絶

自重?
そんなの知るか

ぎゅう…っ

「へぁ!?ちょ、ちょっと颯!!?」

思わず再び抱きつくとこちらも再び顔を真っ赤にして暴れだす

「王道キタコレなんだよもう本当に〜!!!」

少々鼻息が荒くなってしまうのは仕方のないことだよね

「お、王道ってなんなんだよ、なんでそんな鼻息荒いんだよおおおお!!!?」


「それは気にしない方向で、ね?」

抱き締める腕の力は弱めないまま笑顔でそう言うと周囲から何故か悲鳴が


え、なんで?………あ、もしかして俺の笑顔とか見ちゃったのかな?
気持ち悪くてごめんよ!!!!

うう……倒れちゃってる人いるし
トイレに全速力で向かう人達
本当に申し訳ないです


「……………っ」

「あ、」

一番の被害者が前にいたことを思いだし俯いてしまっている悠斗の顔を覗き見る

「あ、あれ!!!早く職員室入らなきゃだよぬ!!!?」


ぬ?

先程覗いてみたところ顔をさっきよりもずっと赤くしていたのを見た、それはもうゆで蛸のように

覗きこむ俺に気づいたのか悠斗は早口で捲し立てる

まあ、なんか噛んでたけど


なんかもう(よく見えないけど多分)涙目なんだけど

……………萌えるな!!!!
どうしてそうなったかはわからないけどね〜


「そうだね、じゃ、いこっか」


職員室の扉に手をかけ

カチャ…………


引いた瞬間に思いっきり蹴りをぶちこむ

ガン!!!!!!!


「え、えええええ!!!!!!!!!???????」


悠斗がめちゃくちゃ驚いてるけどそんなの気にしていられない


すぐに腕が伸びてきて手を捕まれる

「チッ…………っ、はっ!!!!!」

足を思いきり振り上げて腕を払いのけその勢いで踵を直下させる


ガッ


あたった………けど、浅い!!!!!!

タンッ
と軽快な音を響かせてバック転をして後ろに下がる


影で相手の姿が見えないが身構えておく

油断は禁物だ


息を整えて次の攻撃をぶちこもうとした瞬間


ぴよっぴ〜♪ぴよっぴ〜♪

とその場に確実に合っていない力の抜けるような音が鳴り響く


「あー……もう3分経っちゃったか………」


そう言って影から姿を現したのは


「………よく言うよ〜…………全然仕掛けてこなかったじゃん、成嶋せんせ?」

物足りなさそうにそう言うと爽やかな笑みを浮かべる目の前のイケメンさんは成嶋陽といい

我等が担任様である


短髪の茶髪で若々しいこの成嶋せんせは爽やかイケメンと称せるだろうがいかんせん童顔なため

今だにかっこいいよりは可愛いに分類されてしまうのだ


サッカー大好き高校生です!!!
って言われれば疑う人なんていないだろうなぁ、とか思うくらいには


「や、だって今日は転入生が来るし………なのにお前はすぐ攻撃ぶちこんでくるんだもんな」


呆れたように笑われて

むっと頬を膨らませる


「だって最近やれなさすぎてよっきゅーふまんなんだよ!!」


とまあ聞いた人が何人かは確実に変な方向に考えてしまうようなことを言ってみる



「…………あ、あの」



…………………あ






[*前へ][次へ#]

9/11ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!