2(鋼錬) 「どしたん?アル。眠れんの?」 「真奈さん…。まぁ、こんな体だからね」 「それやったらずっと起きとんの退屈ちゃう?」 「あー、まぁね」 「じゃあ、えぇ事教えてあげるわ」 「何?」 「そういう時はな、星の数数えたらえぇん」 「星って…空の?」 「うん」 「……普通、そういう時って羊を数えるんじゃ無いの?」 「馬鹿やなぁ。世界中の眠れんのが羊数えよったら羊大変やん。それにな、うちの知っとる人にも教えてあげたんやけど、その人やんじょったんで?」 「その人も僕みたいなのだったの?」 「その時は知らんかったけどな。さて、じゃあもう眠るわ。お休み」 「うん」 (そういう時は星の数数えたらえぇで) (星…か?) (うん。よっけあるし、絶対一生かかったって数えきれんで) (フッ…そうだな。全てを数えきるには…人生は短いな) . [*前へ][次へ#] |