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自分の気持ちに戸惑いながらも呂布は自分にしがみつく真奈に意識を向ける。
特別美人だとか可愛らしいという訳ではないが、長いまつ毛、ぱっちりとしたどこか惹かれる目、小さめの口、それら全てが呂布の心を捕らえた。
山賊の血の匂いとは違う、柔らかな香り。
自分とは違う華奢な小さい体。
何故か自分よりも年下、おそらく成人すらしていないであろう真奈に対し、呂布は執着心を持ち始めていた。
それは、一目惚れとはどこか違うような…。
呂布自身、それが何なのかわからなかった。




呂布(村に着いたら、返り血をどうにかしてやらんといかんな…)
そんな事を呂布が考えていると、山賊の討伐を依頼してきた村に着いた。
村では呂布が戻ってきた時のためになにやら祝おうとしていた。
速度を落とし、ゆっくりと村へ入ると、呂布に気付いた村人の何人かがやって来た。
「おぉ!帰って来なすったか!!」
「やっぱりアンタに頼んで良かった!」
「さぁ、小屋を用意したでな。ゆっくり休んでくんろ!」
口々に感謝の言葉を述べる村人達。

と、その内の一人が真奈に気付いた。
「おんやぁ、どうしたんだぁその娘」
呂布「…山賊に殺されそうになっていたのを助けた。湯と、この娘に着せるものを用意しろ」
「あんれぇ、よぅ見たら血まみれだぁ。よし、すぐ用意するべ。アンタに用意した小屋に持って行くだ。その馬は近くにでも繋いでおけばえぇ」
呂布「頼んだぞ」
走り去って行く村人を見ながら、話の展開にイマイチついていけない真奈は自分がどんな格好か見た。
「っ!?」
想像していた以上に服は血で汚れていた。


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あきゅろす。
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