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「あっ…」
顔に手をやると、先ほどまで生きていたはずの男達から流れ出た赤い血が指についた。
自分が怪我をして流すのとは違う、まったく別の物な気がする。
心臓がドキドキする。
ついさっきまで、生きていたのに……
「貴様、そこで何をしている?」
男達を斬り捨てた者が真奈に問いかけてきた。
その声は真奈も聞いた事がある声だった。
「えっ?」
「何をしているのか聞いている。答えろ」
そう言いながら声の主は真奈の方へと近づいて来た。
そして、真奈の前に自分が元いた世界でも、トリップしても馴染みのあったゲーム“無双シリーズ”に登場するキャラ、三国最強と呼ばれる武将呂布が現れた。
「何って…気付いたらここに居ったけん…」
衣装、顔つき、声、そしてその手に持つ無双方天戟が、テレビ画面で見る呂布そのままだった。
呂布「ほぅ…。まぁいい」
真奈をじっと見つめる。
呂布の視線に気付きながらも、真奈はこの場所に来る前の事を思い出していた。


確か、仁王が家に遊びに来たのだ。
跡部も加わり、久しぶりにゲームをしようという事で無双をセットした。
そして画面に映ったと思えば周りが白い空間となり、気が付けば…




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あきゅろす。
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