ACT.9「異なる世界・そして…」※
気が付くと、辺りが薄暗かった。
「えっ?何で…」
月の明かりに照らされ、その光景が真奈の目に映し出された。
暗い木々に囲まれ、所々に点々とした血。
すでに息絶えた死体。
「うっ…!」
生臭い血の匂いに、思わず吐き気をもよおす。
と、その時。
後ろに人の気配が…。
「(ヒソッ)今、急に現れたぞ…」
「そ、それに変な服装してやがる」
「も、物の怪だ…」
見ると、数人ほど刀を持った男達がいた。
「くそっ!ついてねぇ!!」
「やっとあいつから逃げきったと思ったのによぉ!」
「ちっ!邪魔だ、斬れ!」
そう言って、男達は真奈に襲いかかってきた。
突然の事で頭がついていかなかった。
何故自分がここにいるのか。
そして、目の前にいる男達の服装。
明らかに日本刀ではない刀。
自分に向けられた男達の視線。
どこかで“あぁ、死ぬんだ”と感じる自分がいた。
体がぴくりとも動かない。
刀が…近づいてくる。
しかし、男達の刀が真奈に届く事はなかった。
ザシュッ
「ぎゃあっ!!」
ドシュッ
「ぐわぁっ!!」
バシュッ
「がはぁっ!!」
何者かが男達を背後から斬り捨てたのだ。
近くまで迫っていたので、真奈の顔にも男達の血が付く。
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