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ACT.1「バレた」


キーンコーンカーンコーン…
その日最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
部活へ行く者、帰宅する者が行き交う中、あるクラスでは一人の女生徒と二人の男子生徒が会話を楽しんでいた。
「今日、テニス部って休みやろ?」
女生徒の名は香川 真奈。
今彼女は宍戸の髪をいじりながら忍足と会話している。
この三人、結構仲良しだ。
忍「せやけど…。香川ちゃん、何かあるん?」
宍戸の髪で三つ編みをして遊ぶ真奈に、忍足はニヤニヤ笑いながら訊ねる。
「いや、テニス部が無い日ってちょうどスーパーが割り引きする日なんよ。特に深い意味無いで?」
三つ編みに集中しながらさらっと真奈が言うと、忍足はため息をつき
忍「香川ちゃんは一つも浮いた話無いなぁ」
と、呆れたように言う。
「当たり前やん。うちやどう見たって顔えぇ方ちゃうし。誰かさん達と違て」
三つ編みに満足したのか、今度は忍足の方を向く。
その時、今まで口を開かなかった宍戸がしゃべりだした。
宍「つーか…↑のは何だよ、香川」
「え?やっぱ小説やけん、何となくこういうのいるやろ思て入れたんやけど?」
宍「止めとけ。何か調子狂うぞ、お前の標準語」
そう。
実はさっきまではうちが全部ナレーション入れよったんや。
方言バリバリやったら読みづらいやろ思て。
せっかく上手い事いっとったのに…。


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あきゅろす。
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