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真奈が挨拶回りをしている仁王を見つけた時だった。

ぐいっ

「!!?」
突然、何者かが真奈の口を塞ぎ、仁王のいる場所よりは少し離れた部屋へ引きずり込んだのだ。
呂布「…静かにしていろ」
どうやら呂布だったらしく、真奈の身体を拘束しながら言った。
一体何のつもりなのか、全く検討がつかないため真奈は呂布の行動に戸惑いを感じていた。
すると、
フワッ
「んっ」
呂布が真奈の首筋に顔を埋めてきた。
首の敏感な所に呂布の唇が当たる。
「んんっ」
思わず真奈が身をよじると、顔を真奈に見せないようにしながら呂布が言った。
呂布「ずっと…ずっと待っていた。お前は俺のものだ」
「……」




呂布は不安だった。
もしかしたら、呉に行ったきりで真奈は帰って来ないのではないかと。
まぁ、帰って来た事でそれについては安心した。
しかし、一緒に帰って来た仁王を見たとたん、呂布は本能で感じた。
“自分”が真奈の中から消える。
良い感情で思われていない事はわかっている。
それでも、どうしても呂布は真奈を手放せなかった。
真奈の白い肌を、可愛らしい嬌声を、達する瞬間の顔を、自分だけが知っていれば良い。
(実際は甘寧、孫堅、呂蒙が知っているが、呂布はそれを知らない)
この気持ちが嫉妬であり、自分が真奈を愛している事に呂布は気付いていたが、それを口に出そうとは考えていなかった。
もし、もっと早く…それこそ跡部と再会する前にそれに気付いて告げていれば、真奈と呂布の関係も今とは違ったであろうし、これから変わってしまう関係も、また違った形で変わったかも知れない。
しかし、結局それは叶わなかった。
どんなに後悔しても、それはもう無理な話だった。
甘寧の思いを受け入れる事が出来なかったように、呂布の事を恋愛対象で見る事も出来ない。
誰もが真奈の中では恋愛感情を持たれる事等無いのだ。




そんな真奈と呂布をそれぞれ別の場所で跡部と仁王が見ているとは気付かなかった。



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