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その後も月英や仲達等、留守番をしていた者にも仁王は一通り挨拶をして回った。
これからは元の世界に戻るまで世話になるのだ。
第一印象が良いにこした事は無い。




こうして回ってわかったのだが、真奈は案外女性陣から好意的に見られているという事だ。
顔が良いとはいえ呂布は恐ろしい存在である。
そんな呂布とずっと共にいたというのもあるし、何より呂布を抑えているのが真奈だという認識があった。
真奈がいる限り呂布は戦を仕掛けようとしない。
そう、街の女達は考えた。
しかし、男達(特に前領主に不満を持っていなかった者)は違う。
自分達の利益が失われた上、いつ職を失うかわからないからだ。
まぁ、そんな連中は真奈にとってはどうでもいい存在であると思われるため、自分と跡部の方が気をつけなければならない。
足手まといにならないよう、そういった連中をどうにかせねば。
仁王がそんな事を考えているとは誰も気付かなかった。






一方、真奈は自分が留守の間の出来事を諸葛亮達と聞いていた。
「ふーん、特には無かったんやな」
超雲「ええ。ただ、前の領主に優遇されていた連中は不満が溜まっているようです」
「まだ人材おらんけん、やりたくないんやけどなぁ…」
まぁ、脅すぐらいでおとなしくなるだろうと真奈は思った。
おそらく、今不満に思っている連中は見た事が無いのだろう。
大勢の兵士相手に引けをとらない真奈の実力を。
城の兵士達はそれをよく分かっているし(中にはそんな真奈に恐怖を持っている者もいるが)、そのうえで自分達下っ端に分け隔て無く接してくれる真奈を気に入っていた。
不満があるのは主に文官だ。



利益云々もあるが、彼らは真奈達の言う未来像を想像する事が出来なかった。
それはそれで別に構わないのだが、彼らは頭ごなしに否定し、理解…とまでは行かずとも認める事すらしなかった。
(もっと頭柔らかぁせいや…)
ハァ…とため息をこぼしながら真奈はしばらく対策を練る事にした。



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あきゅろす。
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