3 香川ちゃんとは今年同じクラスになって、初めて存在を知ったんやけど。 初めて見た時、何や表情が分かりにくい子や思た。 まぁ、考えとる事が分かりにくいっちゅうか。 で、たまたま席が近こなって、興味本意で観察してみた。 そしたら、他の仲の良さそうなクラスメイトとかと話したりする時もどっか違和感のある表情しとって。 気になって話したい思てたら香川ちゃんから話しかけてくれたんや。 『忍足君って声聞きとりづらいよな』 第一声はめっちゃ失礼やったけど。 忍『何?喧嘩売っとん?』 『そういうんやないけど…。せっかくえぇ声しとんのに何でもっと大きい声で話さんのかな思って』 忍『大きい声て…ιιこれが普通やし…』 『いや、でももっとはっきり言うてくれんと…』 それがきっかけで、それからも話すようになったんや。 いじられるんが多かったけど。 忍「いや、別に気にしてへんから。さ、教室行こか」 「…もしかして、そんだけのために?」 忍「せやで?」 「…(まぁえっか。シリアスな空気嫌やし)そういえば、今日って一時間目何やったっけ?」 忍「あー、確か数学やったと思うで?」 「はぁ…、朝イチから数学。テンション下がるわ…」 忍「香川ちゃん、数学苦手やったん?」 「そうやで。英語とか化学もな」 忍「理数系ダメなんか。テスト大変なんちゃう?」 「…まぁ、景ちゃんに教えてもらったりはしよるけどな。悲惨な点数ばっかなんよ」 忍「ふーん。(跡部が…)」 「忍足は得意そうやな、理数系」 忍「あぁ、得意やで。うらやましい?」 「うん。めっちゃうらやましいわ…」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |