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FATE【6万キリリク】:二人の大将の休暇【完】
B†夜の会† 2頁
 一方、土帝国では太陽が沈む前に、フォアナックス大将は読みたかった本を読み終わり、周りの風景を眺める。


 紅空・・・この五日間後の血を表すであろうと土帝国の大将が思う。


 すると、自分の名を呼んだ声が聞こえ、フォアナックス大将は声が来た方向に向けた。


 「フォアナックス!また読書か!?終わった?」


 声の主はフォアナックスと若干歳上のように見える、高さはフォアナックスより小さく、黒い髪と灰色の瞳を持つ中高年の兵士。


あの兵士は銀色の鎧兜を着ており、更に、兜には狼の形になっている。それらが『副大将』を示す物。


 帝国の中では銀色の鎧兜を着られる『大将』は一人しかいない。

 だが、銀色の鎧兜は少佐の時から着られるようになり、銀色の狼の兜は副大将の時からもらうようになる。


 また、副大将は帝国によって異なるが、ほとんど十人以上いる。念のため、大将の身に何か起これば副大将がその代わりに努めなければならないからである。

 

 「クレース!!今終わった。どうした!?」ワーヤスは声の主をよく知っており、クレースは二等兵の時からずっと仲の良い友。

 

 初めてワーヤス大将と出会った日に、一緒に水帝国の兵に囲まれた人もこの『クレース副大将』であった。


 年齢は同い年だが、フォアナックスの力の方が強い為、歳を止める力もクレースより強い。

 

 実際、同世代の者はほとんど中高年後半の姿になっている。それに対し、フォアナックスはワーヤス大将と同じ、中高年前半の姿になっている。


 「おなか減った!何を作ってくれ!お前の料理上手いから。今から部下も連れてくる。ガンガンと飲もう!」大変な訓練を終え、飲む気分になっているクレースが言った。


 「おい!五日間後開戦だぞ!忘れたか?」フォアナックスは友人に質問した。


 「だからだ!明日俺と部下の休みだ。お前は料理作れ!行っておくが、お前は飲むな!」クレースはフォアナックスに忠告し、姿を消した。



 恐らく部下を呼んでくるだろうとフォアナックスが思い、頭を掻き、家の中に戻り、料理の準備をする。


 フォアナックスは生まれた時に母が亡くなった。また、彼が千五百歳の時に父が戦争で他界。

 二千年になると、憧れた軍隊に入り、軍の中にいる友達は全て彼の『家族』になった。


==4月19日更新==

〜今日は3頁を一気に更新しました〜楽しんで頂ければと思います〜月神紫苑


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