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FATE[番外編]:風王の幼い頃【完】
†A約束の崩壊† 2頁
 アルタイルが千歳になるまでに皇太子の名をもらえない。

 アルタイルの体には風の魂が眠っているはずだが、彼はまだ自分の力の使い方が分からない。

バーナッドはゼファー風王に頼まれ、アルタイルと遊びながら力の使い方も教える。


ラーカイン炎帝国の嫡子とは違い、バーナッドにとって、アルタイルは宝物。
これからも守るべきもの。

ずっと


ずっと…


しかし、その約束の日から、まだ時間が百年も経ってないのに、思わぬ悲劇が起こった。

 約束の日から50年経った。バーナッドは一度も約束を破ったことがなかった。

 毎週彼がアルタイルと遊びに来ていた。ただの遊ぶだけではなく、力や剣の使い方なども含めた。

 一人っ子のアルタイルにとって、バーナッドは本当の兄上だと思っている。

 毎週、風帝国の嫡子が朝から風流殿の庭で土帝国の嫡子を待つことは一つの楽しみ。

 今日も相変わらず、アルタイルが庭で待っている。

 「バス兄上、遅い…」庭にある翡翠から作られた椅子に幼いアルタイルが座っている。

 バーナッドがいつも朝の時から晩まで遊びに来るのに、今日はまだ来ていない。

 「もうすぐ昼間だ…どこに行ったんだろう」アルタイルはイライラになった。

 「アルタイル王子様、今日バーナッド王子様はまだいらっしゃらないですか?」
 
 声をかけたのはアルタイルの一人の若い女官であった。

  「うん」短い答えで言った。アルタイルは誰とも話す気がなかった。


「今日はご急用でも御座るかもしれません。城内でお待ちした方が良いではないでしょうか」

若い女官が幼い王様を風流殿の中に誘ったが、アルタイルは強く否定した。


「嫌だ。兄上は絶対来る!兄上が僕と約束したんだ。僕はここで一人で待つ!」 機嫌が悪そうなアルタイルを見て、若い女官が深くお辞儀をし、その場から去った。


その後、アルタイルは昼ご飯を断った。いつもバーナッドと一緒に食べるからだ。


しかし、日が沈んでも、土帝国の嫡子の姿がない。

アルタイルはそのまま翡翠の椅子で寝込んだ。

柔らかい頬に涙の跡がついていた。


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