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FATE[番外編]:風王の幼い頃【完】
†@希望の誕生† 5頁
軽い…赤ん坊を抱いた瞬間、バーナッドがそう思った。

バーナッドの腕の中にさっきの母上と同じ幸せそうに眠っている。

「あら。バーナッド殿を抱いても泣かないですね。以外とお上手ですね」ラナー女風王に褒められた。それは勿論、確かにバーナッドは末子である。ただ、800歳から炎帝国のラーカイン嫡子が生まれ、子供の面倒を見るのはもう慣れること。

彼を腕の中の赤坊をじっと見ていた。

小さな頭、顔、指…
赤い頬…
金色で柔らかい髪の毛…

「生まれてくれて、ありがとう」とバーナッドが心の中に言った。

途端、眠っている赤ん坊が突然目が覚めた。二人の目が合った。

冷静で優しい紫色の瞳と

純粋なエメラルド色の瞳 

赤ん坊は泣くもせず、好奇心があるようにバーナッドを見た。

 
「起きたか、『アルタイル』?」風王は赤ん坊が目覚めたことに気付き、名前を呼んだ。

「もう命名されたんですか?」バーナッドが初めて名前を聞いた。

「そう。アルタイルは星の名であり、飛翔する鷲という意味も持っている。これからの風帝国の将来は彼の手に入るからな。いい名前だろう。これからまた君に世話をかけると思う。遠慮なく、自分の弟だと思いなさい」
ゼファー風王はバーナッドの頭を撫でた。

「はい。これからよろしくね。『アル』」バーナッドは風王に頷き、赤ん坊に向け名を短くして呼んだ。


「ほう・・・『アル』か?じゃ・・・これからそれをこの子のあだ名にしよう」ゼファー風王がバーナッドの言葉を聞いて、素早く決めた。


 バーナッドは自分が勝手な行動をしたと思い、すぐに謝る。
「私の勝手ですみません。つい・・・」

「ははは!良かろう!兄上からあだ名付けられるのは普通だ」ゼファー風王は答えながらバーナッドの頭を撫でた。


部屋中に幸せがいっぱいで、この幸せな時間…ずっと続けばと願ったバーナッド

しかし、幸せの時間は早かった

これからバーナッドでもゼファー風王でも思わず悲劇が始まります。

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