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FATE[番外編]:風王の幼い頃【完】
†@希望の誕生† 4頁
「与はもう諦めた。バーナッド、君のお陰だ」二人が女風王の寝室に歩きながら過去を話を話し合った。

「いいえ。私は何も役に立たなかったです」バーナッドは答えた。

200年の間、ゼファー風王は何回もバーナッドを風帝国の王子に引き取ることをディバー土王に言いたかったが、いつもバーナッドに止められた。

その時間になるまで…

 
バーナッドは土帝国にとって、彼が風帝国の義理息子になっても、大した問題ではないと思っている。嫡子であるバーリウスがいるから。

 しかし、バーナッドにとって問題はそうではない。バーナッドは兄上であるバーリウスと違い、王座を求めていない。
土王も…
風王も…


それで、この200年の間にバーナッドはずっと願った。いつか風帝国の嫡子が生まれるようにと。それに、ゼファー風王は彼にとって尊敬している存在であり、恩人でもある。風の魂いをもらうとは恩人を殺すでも同じ意味だと思い、決して避けたい。

昨年、女風王が妊娠されたお知らせを聞いた時、彼は誰よりも嬉しかった。また、今日生まれたばかりの嫡子の顔を見たくて、ここに飛び出した。

「バーナッド、入って」先に寝室に入ったゼファー風王がバーナッドを呼び出した。

この寝室は1700歳のバーナッドにとって初めてではない。以前子供の時、ある「きっかけ」で彼はここに来た。

寝室の中に10人ぐらいの後宮の女官がベッドの周りに座っていた。ベッドの上にはラナー女風王が座っており、赤ん坊は母上に抱かれて幸せそうに眠っている。

ラナー女風王はゼファー風王と同じぐらいの年齢で、優しい方である。今長い銀色の髪の毛は後ろで束ねている。妃がバーナッドを見ると、すぐ声をかけた。

「バーナッド殿、どうぞお入りください」いつもと同じように丁寧で優しい方。ラナー女風王もゼファー風王と同じで、バーナッドが自分の息子だと思っている。

バーナッドはお辞儀をし、寝室に入った。ゼファー風王は妃の近くに座りこんで、赤ん坊を母親の胸から話そうとしたが・・・


「う…う…うわぁぁぁぁ」さっき幸せそうに眠った赤ん坊が大きい泣き声を出した。

「あらあら…ゼファー殿。いきなり抱くとびっくりさせられますよ」微笑みながら話した女風王。そして、ラナー妃が赤ん坊を抱き、子守歌を甘く囁くように歌った。泣いている赤ん坊が落ち着き、再び眠った。
一方、ゼファー風王は困ったような顔をして少しイライラした。

「すまない。ラナー。予は子供を触るのは初めてなんだ。」一所懸命声を小さくにした風王

この家族を見るだけで、バーナッドの心は暖かくなってきた。


「バーナッド殿、抱いて見ませんか?」ラーナ妃がずっとさっきから見詰めているバーナッドに聞いた。

「是非抱いてみたいですが、泣かせるかもしれないので、やめた方が良いと思いますが・・・」

「いいえ。御遠慮せずに、是非抱いてみてください」そして、ラナー女風王が抱いている赤ん坊をバーナッドに渡した。 

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あきゅろす。
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