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FATE[番外編]:風王の幼い頃【完】
†@希望の誕生† 3頁
「ゼファー風王!!」今回バーナッドが驚きほど叫んだ。少年時代から冷静な彼は珍しいことであった。

「いいか、バーナッド。与の風の魂を君にあげる。それなら、市民が認められるはず。ただ、一つだけ心配なのは君の体にある土の魂なんだ」ゼファー風王が少し心配そうな顔をした。

魂をあげるとは、昔からの物語。ある嫡子がいない王は自分の親戚に魂をあげた。勿論、魂をあげたとは「死」という意味でもある。


しかも、バーナッドは風の力を持っていない。体の中には土の魂が眠っていることが分かったが、二千歳になるまで自由に使えない。


「君が土の魂を解放する前にお願いしたい。土の力を封じ、与の風の魂をもらってほしい。勿論、君の身体にもかなり負荷をかけてしまう。死に至るかもしれない。だから断っても当然だが、与は君しかいないだ、君にもらってほしい!」

ゼファー風王は繰り返して促した。


「『死』は問題では御座いません。恐がるものでも御座いません。しかし…私は適切では…」

その後バーナッドは必死に否定していたが、ゼファー風王は全然変わる気がないようで、結局、バーナッドは一つのことに約束した。


「では、御約束します。土の魂を解放する前に、もし嫡子が生まれなければ、私が風の魂を受け取ります」

決心した声で答えたバーナッドの約束を聞いて、ゼファー風王は少し安心した顔をした。


「しかし、風王からの約束も頂きたいと思いますが、如何でしょうか?」

「何の約束?」少し不思議そうな顔をした風王

「嫡子のことを諦めないことです。この500年の間、出来れば頑張って頂きたいですが…」 恥ずかしながら喋ったバーナッドの姿が珍しくて、風王がしょうがなく爆笑した。

「ははは、わかったよ。バーナッド。君に約束する。頑張ってみよう。君も意外とそういうことも言えるんだ」 ゼファー風王は少し少年をからかった。

「からかわないでください」少年のバーナッドの頬が赤くなった。


その日風流殿が久しぶりに風王の大きい笑い声が聞こえた。


そして、その日からおよそ200年バーナッドが期待し続けた日がやってきた。


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