FATE【BL】
第16話 4頁
風王が水王の細い身体を自分の胸に引き寄せ、強く口付けた。その後、風王の舌も激しく美しい口の中に侵入した。
親友であるアルタイルにこんなことをされたのは考えることもなかった。 レイサックは風王を強く突いた。
「アル!君は何でこんなことを!!」とレイサックはわめいた。
その声でアルタイルの理性が取り戻され、彼が慌てて謝った。風王の顔は真青になった。
「ごめんなさい。ロス!僕は…僕はただ…君を愛している!ずっと…ずっと君を愛していると云いたい!カリナ姫は、僕にとって妹しか考えられない。それ以上も以下もない!僕が愛しているのは『君』だけだ!」
アルタイルは本当の気持ちを話した。告白する前にあんな行動をした自分を後悔している。
だが、その告白がレイサックの心に届けなかった。彼はアルタイルに告げる。
「アル、もう黙れ!僕は聞いたことが無いことにする。だから、ここで終わりにしろ。そして、君とカリナ姫の結婚式を素早く挙げると良い!!君はここから去って。お願い…」
水王の発言はアルタイルの心に雷が落ちたような言葉であった。
「ロ…ロス」風王が何を言いようとしたが、言葉が詰まった。今自分がいくら説明しても、相手が聴いてくれる訳がないと分かり、その場から去った。
独りに残されたレイサックは海石の上に座っており、ディープ・ブルーの瞳に涙が溢れた。
アルタイルの行動で彼は酷く動揺された。どうするべきか、水王も混乱している。
だが、全てのことがある後ろからの笑い声で飛ばされた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!