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FATE【BL】
第16話 2頁
屈辱を与えられた翌日の朝、炎王の意外の優しい感覚…

また、牢の中に拷問された時、ラーカインに触れた感覚はいつも頭を離れない。

彼にとって、こんな複雑な気持ちを感じたことがなかった。

その気持ちを抑えるために、彼は一人で、人目を忍んだ海水上にある海石に座り込み、ため息をついた。その時、後ろからある人に呼びかけられた。


「ロス、何で一人でここに居るの?」

背が高く緑色の鎧を着ており、海風に金髪が靡いている声の主。嬉しそうな声であった。


「アル?もう体は大丈夫?僕のせいで君が監禁させられた」 レイサックの心配な顔を見て、アルタイルが少し喜んだ。

「君のせいではない。僕は大丈夫よ。心配しないで。君の方が心配だ…」

「僕も傷が殆ど治った」アルタイルは最愛な人に答えた。

風王の丈夫な状態を見、レイサックがカリナ姫を思い出した。カリナもきっと喜ぶだろうと…

「アル、カリナ姫と会った?姫は君のこと、凄く心配しているよ。姫が君と看護しに行きたかったが、僕のせいで行けなかった。姫は本当に君を愛しているよ」

レイサックはアルタイルがカリナ姫のことを勘違いしないように、一生懸命説明した。

だが、風王にとって、聞きたいのはそういうことではない。

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