FATE【BL】
第3話 2頁
水竜殿の中の人々は黒の服装を着ており、悲しい雰囲気が隅々に広がっている。
アルタイル風王は国賓室に入り、周りの部下が丁寧にお辞儀をし、一人の侍女が彼をカリナ姫の部屋に案内する。
「アル兄上!」カリナは驚き、嬉しく風王の名前を呼んだ。
姫はゆっくりとベッドから立ち上がり、深々とお辞儀をした。
「姫、大丈夫ですか?顔色が非常に悪い」
アルタイルはカリナ姫の涙の跡がついた顔を見て心配そうに聞く。
「姫様はもう2日間、何もお召し上がりません」侍女は風王に報告する。
「私は何も食べたくない。サラーもわかるでしょう」カリナ姫が親しい侍女に呟いた。
「それはいけません。もし病気になったら、どうしますか?サラー、食事を持ってくれないか?」アルタイルは侍女に命じた。
「かしこまりました」侍女がさっと部屋から出て、すぐ美味しそうな食事を持ち戻った。
「でも…」カリナは否定したいような顔をし、風王は優しく見詰める。
「もし姫が何も食べなかったら、私はロスに報告します」少し厳しい声で風王はカリナに告げた。
「やめてください!私はロス兄上を心配させたくありません!」カリナ姫は慌ててアルタイルを止める
「ならば、食べなさい」穏やか声に言った。アルタイル風王もレイサックと同じで、カリナ姫を自分の大切な妹だと思っている。
だが、それは恋人としての愛ではないと彼自身も分かっている。
彼の最愛の人はいつまでも夢のように、彼の手には一生入らないものである。アルタイルが考え込んでいる時に国賓室から騒ぎ声が聞こえた!
アルタイルは部屋の外の様子を確認し、水帝国の兵士たちが国賓室に向かっているような行動を見、風王は侍女をカリナの保護を頼んだ
「何かあっても外に出るな!サラー!姫を頼む」と指名した後、アルタイルは国賓室に向かっていく。
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