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FATE【BL】
第15話 3頁
「それは当たり前のことです、アルタイル。そなたはまだ幼いであったとき、私はもう王になりました。そして、風の魂を開放したことで力は一気に増えたが、それはある程度の力しか遣えぬ。年齢と経験と訓練とともに、また増え続けることです。

また、私は二千年以上も土の魂を開放しました。ラークも二千年に近い。年齢に関しても、無論、私は4500年、ラークは3700年、そしてそなたはまだ2800年だけです。

よって、相手になれないとは当然なことです。『今』は。もっと訓練すれば、千年ぐらいで追いかけられると思います。これは時間の問題だけで、そなたはもう既に知っていることだと思いますが・・・」

意外と長く説明したバーナッドのせいか、事実を認めたせいか、アルタイルは少し落ち着いた。それを見たバーナッドは風王の腕から手を放した。

アルタイルは自分の両手で顔を隠すようにした。

「分かっている。さっきお前に叫んだのは、ただ情けない自分をみっともなく思っているだけだ。すまなかった。バーナッド」囁いたような声で喋ったアルタイル。

弱く見える風王を見、幼いころのアルタイルの姿がバーナッドの頭に浮かんだ。

その時、彼とアルタイルはいつも一緒に遊んでいた。バーナッドの外見は、昔のままであるが、アルタイルは小さな子供から大人になった。

帝国の人々は二千年になった以来成長は何千倍も遅くなる。


「バス…兄上」小さな声で金色の髪の男子が身の周りに走り回った。その声は今でも忘れられない。

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あきゅろす。
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