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FATE【BL】
唯一無二 第1頁
「ねぇ、ねぇ、聞いた?」

「何?何?」

「あのお方の話だよ!」

「うん!うん!聞いた!びっくりしたわー」

「ご結婚なさったよね!まだ二千歳の御誕生日前でしょう!?」

「やっぱり、あのお方変わっているよね?そして、お相手のこと知っている?」

「うん!私たちと同じ一般な娘だったって!本当に私の方が良かったのに!ひとこと仰れば、私はいつでも全身全霊差し上げますわー」

「だよね!あのお方変わっているけど、お顔もお力もご立派で、本当に一般の民が王族と結婚するなんて夢でも見たと思ったわー」


 水帝国のレイナレス皇太子は密かに一般の女性と結婚したという噂は、嵐のように四帝国の街中に広がった。

 王族が『密かに』結婚するとはあり得ないことに近い。特に、唯一の嫡子であるレイナレスは、もっとも注目されている立場だ。


 確かに昔から自主主義で、いつも王座に興味がないと言っているけれど、ここまでの展開を推測した者は誰もいなかったのだろう。


 噂が広がった後七夜が経った頃には、水帝国から四帝国に報せが送られた。


 「この度、レイナレス水帝国の正式な皇太子はニイア姫君と婚礼することになりました。ご本人のご希望で水竜殿にて婚礼式が行われました。ご報告が大変遅くなってお詫びを申し上げます。また、これよりレイナレス皇太子は、正式な皇太子から降りられることになりました。しかしながら、次の皇太子がお生まれになるまでには、皇太子として務めて頂くことになります・・・」


「ハァ・・・」


 ため息の声が響く。

 報せの内容はここまで読んだが、何度見ても心が苦しくなる。チャナック水王は報せを机の上に置いた。


 「でも、仕方がない・・・仕方がないのだ・・・」チャナック水王は何度も自分に繰り返して言った。



==2013年2月14日更新
2013年7月17日更新==

バレンタインに投稿したはずですが・・・
下書きになっているううううううう
月神の馬鹿でした・・・・

申し訳ございません(ノД`)シクシク


〜始まったばかりで、外伝もよろしくお願いします〜
 


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あきゅろす。
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