FATE【BL】
第12話 3頁
「オレは貴様の『モノ』じゃない!」レイサックは固く否定した。
「貴様は俺の『モノ』じゃなかったら、誰の『モノ』というだ?!昨日のことを忘れたのか?ロ・ス・」ラーカインはゆっくりとレイサックのあだ名を呼んだ。
「呼ぶな!貴様には呼ばれたくない」
レイサックは親しい人しかあだ名を呼ばれたくない。特に前に立っている炎王は世界が滅ぼしても呼ばれたくない。
「ほう?アルタイルには呼ばれたいという意味?そんなに愛しているのか貴様の『アル』?」ラーカインの手は鞭をもっと強く握った。
「貴様には関係ない!」レイサックが答えた。
と、ラーカインはレイサックの体に鞭を激しくあてた。血が壁に跳ねた。レイサックは自分の悲鳴を上げないように唇を噛んだ。
「関係ないって?言えるね。レイサック」
その後、ラーカインは何回もレイサックの体に鞭をあて、怒りと嫉妬も含めた力で、赤布がどんどん破られた。
だが、いくら血を流しても、いくら痛くても、レイサックは一つの悲鳴も上げていなかった。
王としての誇り…
もう全部なくなったかもしれない…
しかし…これだけ…敵であるラーカインに小さな逆らい…
ラーカインの思い通りに「おもちゃ」に決してならないと決めたレイサック。
ラーカインの襲撃が激しく酷かった。レイサックはその痛みを耐えられずに気を失ってしまった。
炎王は水王の血だらけの様子を覗き、外で待っているさっきの2人の兵士を呼んだ。
「冷たい水を!コイツを起こせ!」
命令に従った二人の兵士はレイサックの体全体に水を浴びせた。
レイサックは水帝国の族であり、水を体に与えたら、意識が戻ってきた。
体全体がびしょびしょにぬれた。
古い傷と新しい傷の痛みが痛く、レイサックは今目を覚める力もない。
ラーカインは二人の兵士に手を振り、彼らは再び牢屋から出た。
「まだ寝てはいけないよ、レイサック。まだ始まったばかりだ」ラーカインはレイサックのあごを撫でて、くすくす笑った。
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