FATE【BL】
第12話†罪の仕置「上」†
「待ってください!」冷静だが、強い制止の声であった。国賓室の扉にバーナッド土王の姿が現れた。
「バス!?」突然友人の姿を見たラーカインは驚いて、手を止めた。
「突然の訪問、お詫びを申し上げます。アルタイル風王及び水帝国の大将、二人の命を私にくださらないか、ラーク?」土王は国賓室の中央に歩きながらラーカインに尋ねた。
「珍しい。お前がこんなことに手を出すなんてな?」
「ですから、私の久しぶりの願いを叶えてくださいますか?」バーナッドはそう願った。
この質問を聞いたラーカインは黙り込み、国賓室は沈黙に満ちた。炎王は友人である土王を見詰めると、バーナッドの紫の瞳は真剣であった。
ラーカインは一つため息をついた。
「わかった。今回はバスの願いを叶えてやる。だが、次はない。またこんな無礼な行為をしたら、コイツの首を切ってやる!その時はお前でもどんな法律でも俺を止められん!!!」
炎王は一所懸命自分の怒りを抑え、レイサックに掛けた呪文を解いた。
呪文から解かれたレイサックは、すぐにアルタイルの具合を見に行こうとするが、ラーカインの強力な手に握られ、城の奥に引っ張られた。
再びの沈黙。破壊された国賓室には三人の他帝国の偉い方が残っている。。
バーナッドは動けなくなったアルタイルをそっと抱きしめ、暴れだしそうな風王を寝らせる呪文を掛けた。そして、解放された水帝国の大将の手を握り、一瞬で三人の姿がその場から消えた
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