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FATE【BL】
第11話†救助の罰†
寝室に一人になった水王は考え込んだ。このままラーカインとアルタイルを戦わせるわけにはいけないと。

風王はある程度の力は持っているが、ラーカインの相手ではあるまい。さっきの怒り方を見ると、アルタイルの命は失われるかもしれない。


もし彼が死んだら、カリナ姫は?!


「絶対させない!」レイサックは決心し、外を出ようとする。起きてから力もじょじょに戻った。残っている力をためるため、レイサックは力を使わずに、赤い布を巻いたまま部屋から出た。


しかし、扉から出た瞬間、首に長い剣が近づけられた。彼の肌から少しだけ距離があるが、剣の霊気が肌に伝わってきた。


 言うまでもなくレイサックは水王で、このような行為は無礼だと知っている上でやった。その勇者はさっき報告した炎帝国の大将フェガーである。


「無礼な行動を承知しております。申し訳ございません。しかし、我が王はご自身がいらっしゃらない間に、水王が部屋から出すなと命じられました」無礼な行動の逆に、丁寧な言葉を言う炎帝国の大将。剣は手の中にしっかり握っている。


「下がれ!貴様に俺を拘留する権利はない!」レイサックは少し部屋の中に引き返した。そのため、剣は彼の身から少し離れた。


「申し訳ございません。炎帝国で私にご命令できる方はラーカイン炎王しかいらっしゃいません。水王であれ他の王であれ、私に命じる権利はございません」フェガーはゆっくりと述べた。


「この帝国の人は誰も同じだ。いい。力を使わないと分からないだろう」レイサックは怒鳴った。


「それは水王次第でございます。私の任務はあなたを部屋から出させないことでございます」フェガー大将は恐れずに話した。


レイサックは今、自分の体の中に残っている力で、三つ又のほこを呼んだ。この程度の力では炎帝国の大将には勝てないかもしれないが、今やるしかないと水王は考えた。



しかし、争いが始まる前に国賓室から騒々しい音が聞こえた。レイサックもフェガーも一瞬戸惑った。初めに意識を戻したのはレイサックであった。


若水王は三つ又のほこで残っている力を刺した。防備が間に合わなかった炎帝国の大将は壁にぶつかり、気を失った。


甘く見られたのか、フェガーの手腕を信頼したのか、この部屋の護衛は一人しかいない。他の兵士の姿は見当たらないと確認すると、レイサックはフェガーの鎧兜を取り抜き、赤い布の上につけさせ、国賓室に向けた。


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