FATE【BL】
第10話 2頁
「かなり痛かったようね。腰が動けないぐらいだろう。まぁ、お仕置きとしては当たり前だ」ラーカインはクスクス笑いながら喋った。
炎王の言葉を聞き、レイサックは自分の様子を見、恥ずかしくなってきた。
「キサマは最低だけではなく、変態だ!」レイサックは叫んだ。力が使えなくも相手に傷つける言葉を言いたい。
「変態じゃなけりゃ、新水王はまだ経験がない上に、キスも初めてってことを知らんだろう?」ラーカインは大きい声で笑った。
水王は相手が言ったことは事実と知っているが、これ以上自分の誇りを傷つけるとは行けないと思い、嘘をついた。
「誰が経験ない?キサマは勝手に考えただけだ。水竜殿に美人は千人以上もいる。オレは側室一人二人いてもおかしくない」
「お前の言う通りだ。普通はそうだろう。けど、昨日の反応を見ると、お前はまだ純潔だ。そうじゃないと、キスだけでそこまで溶けそうにならん。見ろ!俺の背中にある爪の痕、お前が残したんだ」
炎王は自分の背中を若王に見せた。確かにラーカインはワザト爪の痕を残らせた。
「キサマ何を話しているか、訳分からない」
レイサックはその痕を見、驚きながら自分がやってしまったことにがっかりした。だが、認めるならば、この男の前ではない。
「お前の身体は一番答えにはなれるはずだ、レイサック。昨日はノリノリになって、結局俺のあだ名呼んだんだろう?どうだ、はじめて男に突かれて、気持ち良かったか?」ラーカインは意地悪く問いかけた。
「俺は呼んでない!それに気持ちが悪かった!最悪だ!」レイサックはまた嘘付いた。
「おやおや。嘘付くのは王として失格だぞ。俺ははっきり聞こえた。それに、お前もそんなにいっぱい出しちゃったし。しかし…」ラーカインはまだ話が終わらないように話した。
「しかし、何だ?!」途中で話を止めたラーカインにレイサックは問いかけた。
「疑問がある。アルタイルはお前の近くにいるのに、なぜ何もしなかったんだろう?俺はお前たちがもう…」最後の言葉をわざと話さなかったラーカイン。
「もう?」レイサックに次の文を聞かれ、ラーカインは微笑んだ。
「もう・・・前夜俺たちと同じことをやったことだ」炎王は答えたら、布だけ巻いているレイサックの身体を近く寄せ、耳元に囁いた。
「もう『キサマ』をやめろ。『オレ』って言葉もお前には似合わない。アルタイルに話した時と同じように『僕』を使った方が似合うんだ」炎王が水王の空色の髪を撫でる。
昨日と明らかに行動がいっぺんしたラーカイン。耳元に囁かれ、レイサックの背中がぞくぞくしてきた。
「離せ!オレはキサマが大嫌いだ」レイサックは誤魔化すように暴れ、炎王から離れようとする。
だが、ラーカインの前で、暴れたレイサックはただの子供が大人に喧嘩しようとするに過ぎない。
炎王はゆっくり水王の桜色の唇に口づけた。今回は昨夜と違い、柔らかく長く付けた。ラーカインの舌は急げずにレイサックの口の中に動く。
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