FATE【BL】
第9話 6頁
「イッ・・・やめ…」レイサックはまた叫んだ。
ラーカインが動きはじめためか、さっきからラーカインの手が彼の中央の部分を再び触り始めたか、レイサックは身体の中に痛みを感じるだけではなく、快感も浮かんだ。
「あぁ・・・やめ…」痛みだけを滲ませていた声は、だんだんと甘くなってきた。レイサックはもうすぐ限界だった。
「『ラーク』と呼べ…」水王の変わった様子に気が付いたラーカインは耳元で囁いた。彼の手はレイサックの中央の部分を握ると共に、後ろのほうはもっと強く激しく動いた。
「ああ…やめ・・・放せ・・・」限界に達したが、射精できないレイサックは今何も考えられずに叫んだ。
「ラークと呼べ。達かせてやるから」囁きながら手も握り、身体も動いている。
「いやあぁ・・・」レイサックはまだ拒否し続けた。
痛みと快感…
全てはレイサックの頭の中に混乱している
達きたい…でもラークと呼ぶのは、自分の誇りは…
その考えはだんだん遠くなり、特にラーカインは最後の攻撃を全部体の中に入って、レイサックの我慢はもう限界であった。
「あ…ラーク」小さな声だが、ラーカインは握っている手を放し、レイサックは自分の欲望を開放した。
白い液体はラーカインの体とベッドの上に吹き上げた。
あまりにも長い間与えられた痛みと襲撃されたせいで、レイサックは目尻に涙を流したまま気を失った。
自分の目的を果たした炎王は、若水王が自分の名前を呼んだことで、自分の快感の限界に至った。
彼はそのままレイサックの体の中に射精した。
「あ…ロス」ラーカインは相手のあだ名を囁いた。汗をかいている茶色の髪、ルビー色の目はレイサックを見つめた。
ラーカインはレイサックを「ロス」と呼ぶ気はなかった。炎王自身が信じられないほど、この若王から快感を与えられていたようだ。
彼は気を失ったレイサックの瞼に口付けて、涙の跡を舐めた。
そして、レイサックの隣で目を閉じた。
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夜明け頃、二人の「敵」の王はいまやお互い同じ場所で眠りの世界に入っていった。
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