FATE【BL】
第9話 2頁
「はぁーまた何だ?」ラーカインは右手をあげ、赤い水晶は彼の両手の中に飛んでくる。
赤い水晶は炎王の手に触れると、直ぐに消えた
彼の両手に残っているのは水王の身体だけ。だが、レイサックはまだ左右に揺れている。
それに、目が覚めていないのに、大きい声で叫んだ。
「ラーカイン、キサマには絶対負けない!キサマが父上も母上も殺して、それにお祖父様も!アル、僕を止めないでくれ!僕はコイツを殺してやる!・・・」
と喋った後、声はだんだんと喉の中に消えてゆき、水王はまた夢の国にもどった。
「あは。俺をそこまで殺したくて、夢でも見たのか」ラーカインはレイサックの身体をベッドに置く。
「因みに、さっきの『アル』とは確かにアルタイル風王のヤツのあだ名だな?」
レイサックが言った風王の名前は、ラーカインに、水王に対するアルタイルの「心配しすぎる」行動を思い出させる。
「バス、今回は大変だ」友人のことを思い出しながら笑った。
「さて、もう眠り姫、いや、眠り王を起こす時間だな。俺はもう飽きた」
ラーカインはゆっくりと水王の体の中に熱い力を送る。
「暑い!!!兵はどこだへ?なぜ水竜殿がこんなに暑いんだ?」レイサックは瞼を閉じたまま呟いた。
「残念だ。俺は貴様の兵じゃない。そしてここも貴様の城じゃない」ラーカインは囁き、少し若王の行為を楽しんでいる。
一方、レイサックはゆっくりと目を覚まし、自分の前にいる人をはっきり見ると、跳ねるぐらい驚いた。
「起きたか?」ラーカインは意地悪く笑いながら、聞いた。
「ラーカイン、きさ・・・痛イ!」レイサックの身体に、襲撃された傷の痛みがまだ残っている。それを見た炎王が見下す言葉を吐く。
「まだ治ってんだと?俺がせっかく助けてやったのに。貴様はまだまだだな、『チビ王』」ラーカインが最後のチビ王という言葉をわざと協調するように話した。
レイサックの顔色が赤くなり、言い返した。
「その呼び方をやめろ!オレにはちゃんと名がある」
「ロスと呼んでほしいか?アルタイルのように呼ぶのはごめんだ。貴様はその立場じゃない!自覚しろ『捕虜の王』」
チビ王より、もっと酷い言葉を選んだ炎王は、若水王を挑発した。言うまでもなく、命より誇りの方が大事であるレイサックの怒りが絶頂に到達した。
「キサマ!」レイサックは大声を上げた。
「キサマだと?俺は言ったはずだ。俺への無礼は許さん!まだ覚えられんか?!」ラーカインの手がレイサックの首を握った。
「離せ!」レイサックが恐怖知らずにラーカインに向け、怒鳴った。
「貴様が俺の奴隷として認めるまで、離さん」ラーカインは微笑んだ。
「認めるだと、夢でも見てんのか!?」レイサックが否定したせいで、ラーカインは彼の首をもっと強く握りしめた。
すると、もっと大変なことが起こる前に、寝室の扉が叩かれた。
「誰?」ラーカインは怒っ声で聞いた。
「申し訳ございません。風王と水帝国の大将が急用で、お目にかかりたいと申しております」扉の外から一人の兵士は報告した。
「チッ、何だ?レイサック、貴様はまだ運が良さそうだ。でも、貴様と遊ぶ時間はまだたっぷりある。アルタイルの奴は貴様の奴隷様子が見たいかもしれん」そう言い残すと、ラーカインはさっさと寝室から去った。
(アルと大将?なぜここへ?)約束とは自分で解約しなければならない。他の人の力を使っても無理だとレイサックは知っている。
水王は自分が一生ラーカインの奴隷になることを想像すると、怖さはだんだん増していった。しかし、彼はまだ希望を持っている。
ラーカインを殺して、この城から出る!今の体では無理だが、傷が治るまでには絶対!
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