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FATE【BL】
第9話†誇りの損失†(18禁、暴力)
 レイサック水王が炎帝国に来てから五日間、彼はまだ赤い水晶の中に眠っている。

 柔らかい空色の髪に青水晶の瞳と、艶やかで雪のような肌に形の良い顔。

 この美しさは女性も負ける。

 レイサックの妹であるカリナ姫は可愛く美しいとよく言われているが、

 やはりレイサックとはまだ相手にはならぬ。

 誰でもこの素敵な要望を見れば、魅了されてしまう。。

 勿論、ラーカイン炎王も例外ではなかった。


 背が高く赤い瞳と茶色の髪の炎王は、寝室の中央に立ち、しばらくの間レイサックの身体を見詰めていた。


「お前は父より母に似ているな、レイサック。細くて、女と誤解してしまうぐらいな。お前はレイナレスと全然似ていない」

ラーカインは呟きながら、過去を思い出す。


レイサックの父上である「レイナレス」はチャナック水王の嫡子で、ラーカインより100年年上。


 だが、彼は嫡子とはいうものの、王座には興味が無さそうであった


 水王にならないと決心した彼は、「水の魂」を解放していないうちに、早く結婚した。そしてレイサックとカリナが生まれた。

 といっても、レイナレス王子様の力は本物である。王座は望まないが、帝国を守りために戦争に何回も出ていた。


 勿論、相手は「炎帝国」であった。


 長い戦争の時代に、ある時、ラーカインの兵はレイナレス王子様の兵と直面し交戦した


 カリナ姫が生まれて四百年後であった。ラーカインにとって非常に長い戦争で、一番苦労した戦争とも言える。


 戦後、ラーカインが受けた怪我が治るま、一か月もかかり、軍隊も何千人も失った


一番忘れられないことは恐怖を知らず、夫を庇い、自ら炎王の剣を遮ったレイサックの母上。


「結局、二人とも死んだ。俺が狙った奴は俺の手から逃げられん!お前もだレイサック!」

途端に、まだ過去のことを思い出しているラーカインは、赤い水晶の中にいる水王の妙な行動に気が付いた。


レイサックの手と体は今右左に揺れている。


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あきゅろす。
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