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FATE【BL】
第40話 2頁
大将が王を裏切ることは神世界では非常に珍しい。特に、フェガー大将はラーナス前炎王の大将でもなかった。


自分の誓いを守れない神は、神として認められない。価値が無いと言われる。



たとえ今回の反乱が成功したとしても、フェガー大将を信頼する者がいない。尊敬される立場でもない。むしろ、反逆者仲間に始末される可能性も高い。


それを承知した上で裏切った炎帝国の大将は、ラーカイン炎王に対し、よほどの怨みを持っているしか考えられないと、他の大将が報せを聞いた時に考える。


 ラーカインは炎王になってから、大将になったフェガー大将。


 それで、他の大将と比べたら、大将歴が一番短い。また、顔だけ判断すると、フェガー大将は一番若く見える。


 けれど、実年齢はゲレル大将の次であり、ワーヤス大将とフォアナックス大将より二千歳上。



 茜色の瞳と肩ぐらいの癖のある薄紅の髪の毛。


 更に、ラーカイン炎王が王位を継いだ時に、軍の中から大将を選ばずに、軍隊の前にフェガーを連れて来て、大将として任命した。


当時、ルーナスらの大虐殺事件で、ラーカインを恐れる者が多く、この非常に異常な行動を認めざるを得なかった貴族と側近。



 それで、軍属経験のない謎だらけのフェガーは炎帝国の大将となった。



フェガー新大将は任務の件を完璧にこなし、驚くほど僅かな時間で酷い炎帝国の軍の訓練に馴れ、誰よりも優れた術や技を見せた。



それで、文句を言う者も次第にいなくなった。


けれど、言葉が少なく、余計な話はしない人として有名である。


フェガー大将の謎を知っている唯一の人物はラーカイン炎王。


従って、裏切り者が居るならば、フェガー大将はその人物になるはずがなかった。



ルースらの軍は西の領域から攻めてき、一週間前に鳳凰殿に迫った。


炎帝国の民の間に、ラーカイン炎王が重傷を負ったという噂が広がっている。


無論、噂の元は誰でもなく、フェガー大将である。ワーヤス大将が一人しかラーカイン炎王の状態を報せていなかったから。


 戦争が終わったばかりで、実家で休み中の兵士が多かった為、ラーカイン炎王が鳳凰殿に戻った時には、城が既に反逆者に乗っ取られた。


緊急状態で、ラーカイン炎王は、一部の兵士と共に、東の城に逃げた。


しかし、反逆者はもうすぐ東の城に迫る。


炎帝国の反乱については、他の三帝国でも驚く報告であった。


 負けたことがないラーカイン炎王の運命はこれからどうなるであろう、と皆が思う。



 だが、ラーカイン炎王は東の城に逃げてから十日間、それについて全く知らない者は、水帝国の王、レイサックである。


……2月2日夜9時半更新……


次回の更新は2月6日午前零時予定です

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あきゅろす。
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