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FATE【BL】
第7話 2頁
以前、ゼファー元風王とバーナッド土王は非常に仲良かった。バーナッドを息子のように可愛がっていた。それで、幼いアルタイルはよくバーナッドと遊んだり、世話をしてもらったりしていた。

けれど、ある「きっかけ」でバーナッドとアルタイルの関係が悪化した。


また、ラーカインが炎王になってから、元々仲悪かった水帝国と炎帝国の問題が、何倍も深刻な状態になってきた。


よって、同盟としての土帝国と風帝国もその問題から逃げられなかった。お互いに『敵』になり、バーナッドとアルタイルも会えなくなってしまった。


アルタイルは風王になった時、バーナッドは耐えられないぐらい嬉しかった。


だが、それは「秘密」

風王と土王はただの「敵」

それ以上もない以下もない

ただ、外から見守りだけでいいと望んだ土王。


バーナッドはいつも、直接、風帝国と戦争することを避けていた。それで、友人であるラーカインも気がついた。


アルタイルの心はさっきの若王に取られてしまったとしても、そのままで良いとバーナッドはずっとそう思っていた。


しかし、今回は違う!アルタイルの命に至ることになった。


バーナッドはそれだけは絶対にさせないと決心した。


アルタイルはバーナッドを呼ぶ時に「おまえ」を使い始めたのは「王」になるときであった。


それは土王からの許可で、若いうちに王になったアルタイルにそういう権力を与えると緊張感もなくなるであろうと思っていたが、


アルタイルはいつも彼に対し、「ワタシ」を使っていた。

それは彼なりの尊敬を表すのか、距離を保ちたいのか、それはアルタイルしかわからないこと。


幼い頃、「僕」を使っていたアルタイルはもういない。


「バス兄上」と呼ぶアルタイルももういない。


『オレ』という言葉使いに少し驚いた土王は自分の声を何もないように誤魔化して説明した。


「そなたが怪我をさせられてしまいますから。ラークはレイサックと戦ったばかりといっても、彼の力は弱くなっていません。つまり、そなたの負けに違いない」


「オレが勝つか負けるか、それはオレの問題だ。おまえには関係ない!下がれ!」アルタイルは叫んだ。


「どこへ行きますか?」バーナッドは冷静に問いかけたが、風王はもう何も聞かない状態になった。
 

「どこへ行っても、オレの勝手だろ!下がれ!」


「いいえ。行かせられぬ。そなたはどこへ行くのかを教えるまで」土王の声は厳しくなった。


アルタイルはもし自分が答えなかったら、絶対行かせないはずと判断し、バーナッドに答えた。


「ロスを追いに行く。もう満足?下がれ!」


「要するに、そなたは炎帝国に行きますか?」バーナッドをもう一度確かめた。

「ああ」アルタイルは軽く頷いた。

「ならば、行かせられぬ」バーナッドの顔と声が真剣だった。アルタイルは自分がした無礼に気が付くと、少し冷静になった。


「今回のことおまえと全然関係のないことだ、バーナッド。私が行かなかったら、ロスはどうなるかおまえも知っているんだろう?」


アルタイルはロスのことを話すと、心配の気持ちが土王まで伝えられた。バーナッドは自分の嫉妬を抑えながらアルタイルを説得する。


「我らの規則により、そなたは手を出せられぬ。ご存じているでしょう?」


「その通り。けれど、私がラーカインに勝てば、ロスを取り戻せる」」アルタイルはラーカインを勝てる道が無いと分かっているが、最愛の人の命の方が大事だと思っている。


「それをそなたが望むなら、まず私に勝ってください」バーナッドが力を身体の周りに出し、紫色の力が白雪神殿に広がった。

「それしか方法が無いなら、相手にする」風王も力を出し、バーナッドに向かった。


その後、白雪神殿で二回目の競争が始まった。一人は自分の最愛の人を助けるために戦っている。もう一人は自分の最愛の人を死なせたくないために戦っている。


結果は予想したとおり、アルタイルはバーナッドの攻撃を受け、気を失ってしまった。


それはバーナッドの目的ではない。土王は最愛の人に怪我なんかさせたくない。しかし、そうやらないと、アルタイルは絶対に炎帝国へ行く。そして、アルタイルの命は終わるかもしれない。


バーナッドは気を失ったアルタイルを風帝国に送り、風王の兵に「閏年の儀式」から得た傷と教えた後、姿を消して土帝国に戻った。

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あきゅろす。
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