FATE【BL】
第7話†二王の想い†
最愛の人をずっと我慢して見守っていたアルタイルはもう耐えられなかった。アルタイルは白雪神殿の中央に侵入した。
バーナッドは少し気を抜き、風王と離れたせいで、アルタイルを止めることがなかった。
「ロス!!」アルタイルが最愛の人の名を叫んだ。
彼がずっと愛してきた人は、今ラーカインの腕で気絶している。
アルタイルの怒りはもう誰も止められない。
「ラーカイン!レイサックを離せ!」
「アルタイル?珍しいな。今まで貴様はあまりこういうことに手を出さなかったじゃないか?」
ラーカインはアルタイルの意外な行為に目を疑った。
チャナック元水王がいた時、アルタイル風王は四王の中に、一番若い王であった。
アルタイルは2000歳になる時にあたって、「風の魂」を開放できるようになった。
自分の長男が王という立場に相応しいと思っていたゼファー前風王は15800歳の年で王座から降り、現在は妃と一緒に、「風流殿」から出て、風帝国のとある静かな町に住んでいる。
アルタイルは父上の意志と同じで、水帝国と風帝国同盟を結んでいる。
当然、炎帝国と土帝国とは「敵」となる。
若さと経験が少ないアルタイルは、四王の中の深刻な問題に必要以上に手を出さず、冷静であった。
しかし今回は違い、風王は自分の冷静を守れず、自分の感情をそのままで動いた。
「理由はどうでもいい!レイサックから離せ!」風王の声はもっと荒々しくなった。
「なぜ俺は貴様に従う必要がある?このチビ王は俺と約束した。俺に負けたら、俺の『奴隷』になると。貴様は風王になってから、もう800年。ルールを知らないわけないだろう」炎王が少し相手をからかった。
「オレに勝たない限り、ロスを連れ行かせない!」アルタイルはラーカインに近づいた。
「ふふ…本当か?俺は手加減しないから。来い!」ラーカインは風王を誘った。
「待って!」冷静で力強い声が、厳しく二王を止めた。土王はアルタイルの前に遮る。
「バス、何だ?」止められたラーカインは少し機嫌が悪そうで友人を伺った。
「ラーク、戦いの前にそなたとレイサックだけが戦いたいと言ったから、私は棄権しますと言いました。しかし、アルタイルが戦いに参加するのなら、彼の相手は私となるでしょう?」バーナッドは理由を説明した。
「まぁ。おまえの言う通りだ。勝手にしろ。俺はこの新しい『おもちゃ』と遊びたくてたまらないんだ」
ラーカインは、友人の秘密の気持ちをよく知っているからである。炎王は笑いながら、レイサックの血だらけの身体と一緒に姿を消えた。
白雪神殿に残っているのはアルタイル風王とバーナッド土王だけ。
「なぜオレを止めた!」アルタイルの我慢は限界だった。
今まで風王は「オレ」という言葉をバーナッドに対して、一度も使ったことがなかった。
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