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FATE【BL】
第5話†閏年の儀式†
「白雪(シラユキ)神殿」は雪のような白さで、四帝国の真ん中にある神殿。

この神殿は昔々に、四大元素の王が自分たちの手腕をお互いに確かめ合うために、作られたと言われている。

この儀式は王の義務になり、四年ごとにここに来て、戦い、勝者は自分の「望み」を敗者からもらう。

これを「閏年の儀式」という。


数千年前に4帝国の中で争いが起きた後でも、儀式の時だけは互いに戦争を止め、この儀式は守られ続けている。

この儀式は王の誇りであり、実力を他王に見せる機会である。

二人の王が戦っている間、残っている王は審判になる。ルールとしては相手が動けなくなるまで、又は、諦めるまで。

死に至るまでの争いは原則的には禁止だが、仕方がない場合は認められる。


また、相手を選択する方法は、青水晶、緑水晶、赤水晶、そして、紫水晶の「4つの魂の水晶」を使い、無作為に相手を選ぶ。


今、白雪神殿の中央に4王が揃っており、各王は鎧に身を固めている。お互いの間に挨拶も言葉も無く、緊張が張り詰めている。


その沈黙を破ったのはラーカイン炎王であった。

「もう月は真上に来た。そろそろ始めろ。俺の気は短い」低い声で相手を挑発する炎王。

「そうです。そろそろ始めましょう」バーナッドは相変わらず冷静に言った。


「オレも時間を無駄にするのは嫌いだ」レイサック新王は落ち着いている様子で答えた。

「では、今回私は棄権します。今回の主役は私ではないでしょうし、ラークと戦う気もありません。そなたも同感でしょう、アルタイル?そなたはレイサックと戦いたくないはずでしょう?」

バーナッドはいつも黙って、アルタイルの考えの一歩前に立っている。


風王は土王の言葉を聞き、言葉を失った。


アルタイルは参加するつもりであったのだ。


自分の力ではラーカインに敵わないが、その強力な力を少しでもレイサックのために弱めたいと思っていた。


しかし、バーナッドが言った通り、もしレイサックと戦うことになってしまったら!?


「アル。僕はバーナッドに賛成する。君は棄権したほうが良い。僕はラーカインと戦いだけ。君とは戦いたくないんだ」レイサックは親友に願った。


「あ…でも…僕は…分かった。今回僕は棄権する」アルタイルは否定しようとしたが、全てを計算し、今回は棄権することにした。


「もう話はいいか?二人とも来ても俺は構わんよ」ラーカインはあざける声でレイサックに言った。


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あきゅろす。
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