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FATE【BL】
第1話 2頁
「絶対にご無事で カリナ姫に会いにいらっしゃいますよ。姫もゆっくり休んだ方が良い。 顔色が大変悪い…」少女の名前を呼ぶ、親しげな、優しい声。

「いいえ、ワタクシは休みません。私はお祖父様を待ちます」

カリナ姫はキッと目を真剣にさせたので、ロスも仕方がなく、妹を抱いたまま診断の結果を待っている。

バァン!!!

突然、大きな扉が開き、ある老人が表れた。

老人の顔色と目は、待っている二人に、悪い予感を伝えた。


「お医者様、お祖父様の具合は?」ロスは老人に直接聞く。老人の様子は悲しく、言葉も出せない程悲しそうな、老人。


「申し訳御座いません。レイサック王子様、私は精一杯王の命を救おうとしましたが、チャナック水王が受けた剣の傷は大変深く、私の力では足りませぬ。おそらく今夜以降は…」


老人の言葉が喉なで出かかった途端、カリナが倒れた。レイサック王子様は妹の身体を抱きしめ、部下を呼んだ。


「サラー、姫様を部屋に連れて行きなさい!」ロスは慌てて命令しながら、老人に伺った。

「本当に他の方法は無いのか?!あなたはこの帝国一番の医者ではないですか!」美しい唇は震えている。

レイサックがそう聞くと、老人は目をそらしながら、慌てて答えた。

「…大変、申し訳ございません。わたく…私の力が足りないせいで、どうかお許しを…」医者は涙をこらえて言った。


ディープ・ブルー色の瞳は悲しさをたたえているが、涙が出ないように主の意志でせき止めているようである。

「それから、王は王子様と貴族にお話があると仰います。どうぞお入りください」

老人はロスへそう告げた後、扉を開いてあげた。

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