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FATE【BL】
第22話 4頁
風王はため息を付き、弟を抱き上げ、慰めるように叱るように言った。

「ほらー900歳になったんだろう?子供のように泣くな」

「僕は…兄上の…力になれなくて、心配ばかりさせて…悔しい…です」むせび泣きながら答えたアディス王子様。

「だから、そうじゃないって。兄上はただ水帝国での式のことを心配しているだけだ」アルタイルはもう一度説明し、抱っこしている弟の背中を叩いた。


幼いアルタイルと比べたら、アディスは暖かい兄と両親に囲まれ、いつも愛される子。それで、気が若干弱く、泣き虫である。

アディスの泣き声は徐々に静かになり、抱っこされたままで寝入った。


小さな鼾声を聞いたアルタイルは、抱っこしている弟を見つめ、自分と呟いた。

「やっぱりアディスを甘やかさせたのは俺かなー」


自分が酷い経験をしたせいで、アディスが生まれた時、自分と同じ思いをさせたくないアルタイルは、いつもアディスの傍にいる。


風流殿の中に、両親が居なくても、淋しく感じないように、忙しくても毎日アディスと遊んでいた。

「もう900歳になったか…早いな」アルタイルは弟の成長を見守ったうちに、900年も経った。


年齢を考えると、カリナ姫は1400歳、アルタイルは2800歳。つまり、彼はカリナより倍ぐらい年上。別に神の世界に年齢などは関係ないだが、年齢から考えると、アディスの方が近い。


使者から報せをもらった後、アルタイルはアディスに問い掛けた。

「もしアディスがカリナ姉上と結婚出来たらどう?」

「勿論、喜んで!!しかし、お断りします」小さな王子がその質問に隠している意味を知らずに、笑顔で答えた。


「なぜ?」アルタイルは理由を聞いた。

「兄上の方が好きだからです。兄上からカリナ姉上を奪ったりする行動なんてしません」

答えた後に彼の腰を抱き締め、遊んでいるように笑ったアディス。

今回風王がレイサックと相談したいのは、彼の代わりにアディスを結婚させてもらうという話である。

水王が賛成すると思っていないが、小さな可能性でも挑戦してみたいとアルタイルが思った。

しかし、話す機会でさえ得ていなかった。

アルタイルは空を見上げると、さっき中央にあった月が、西の空に片寄った。まもなく朝が来るという証である。

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あきゅろす。
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