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FATE【BL】
第31話 7頁
 レイサックは全力を一発で出せるように集中している。その力が出せる前に、ラーカインは動き止め力から抜けられた。


 けれど、炎王は遅かった。もうレイサックを止めることも、その場から逃げることも出来ない。水王の力と同じレベルの力で防御しようとする。


 レイサックにとって命をかけて出した力だが、ラーカインにとって、命までは至らぬ。

 
 二つの青と赤力が、二王の掌から出、ぶつかろうとしている。


 このような巨大な力がぶつかったら、二王の身に被害を与えるだけではなく、周りの兵たちも巻き込まれてしまう。



 

ずっと二王の戦いを観察していたバーナッドは、レイサックは力を集中しようとした時に、このようなことが起こると予想していた。土王はどちらの軍とは問わずに、馬を駆け戦場を巡り、大声で注意を叫ぶ。


 「死にたくないなら、ココから離れろ!早く!!!」 


 兵たちは二王の強力な力の気配が感じられており、馬に乗っている兵士たちが仲間を連れて、バーナッドの言葉に従って、直ぐその場から逃げ出す。



 兵たちがギリギリでその場から離れた様子を見たバーナッドは、身体の周りにバリアを張る。土王の身体は今紫色の力で囲まれている。


 兵たちが無事であろうと確認したバーナッドは、アルタイルと愛馬にいる方向に注意する。
 

 「アルタイル、そなたも早くバリアを張りなさい!」告げた後、バーナッドはアルタイルがいる場所に戻る。


 しかし、馬がさっきまでアルタイルがいた場所に近付けば、近付くほど、バーナッドはあることに気付いた。


【そこにいるのは、アルタイルの愛馬だけで、アルタイルが『いない』!!!】



ガン!!!!!!!!!


 
 赤と青の力がぶつかり、大きい声が響き、空に雷のような光が出現した。だが、二つの巨大な力がぶつかったものの、被害が思ったより少なかった。周辺が全部破壊するはずであったのに、まだ何も破壊しておらぬ。


 しかし、力がぶつかったから離れている所から、二王の戦いを見詰めている戦場にいる者たちは、信じられたくない風景が見えた。特に近くにいるバーナッド土王である。



 空の真ん中に、風王は青と赤の力の間にいる。

 アルタイルの顔は、レイサックの方に向いて、両手から緑色の風の力を出し続けている。その力は、レイサックの力を全部出せないように、水の力を押し付けている。また、押しつけきれない力の部分は、風王の身体を攻撃した。


 さらに、アルタイルは背中をラーカインに向けており、風王は全力でレイサックの力を押し付けるため、防御する力が張られず、つまり、炎の力の攻撃を全て受けた。


 レイサックは親友を見て、直ぐ手から出している水の力を止めた。
 


 けれど、アルタイルは、二つの巨大な水と炎の力に攻撃され、身体が耐えられるはずがない。風王の身体が、レイサックから離れていない戦場の地面に落ちてきた。


 「アル!!!!!!」レイサックは親友のあだ名を叫んだ。


 さっき、水の力を出したため、レイサックの身体には力はもう残っておらぬ。動ける力すらない。


 にしても、レイサックは歯を食いしばり、親友のところに歩む。



 一方、バーナッドは短い時間でアルタイルから目が離れた時に、突然起こったことに、あまりにも驚きすぎて、無言になった。


==3月28日更新==

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あきゅろす。
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