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FATE【BL】
第31話 6頁
  見下されたレイサックは、怒りを爆発した。


 「黙れ!俺は貴様を殺してやる!!」レイサックは怒鳴った。


 「口だけで無能だ!やって見せろ」ラーカインはもっとレイサックを挑発する。

 


 そう聞いたレイサックは、剣の切先を振り下ろすと、強い波が現れ、ラーカインを襲撃する。


 けれど、ラーカインは炎の剣で波を斬り、また、彼の剣の切先から爆炎が迸る。その炎はレイサックの軍馬に向かっていく。



 レイサックは、水バリアで防御したが、その炎が強すぎて、防御しきれない炎は彼のバリアを抜けた。

 愛馬は無事だが、レイサックの左腕に火傷が出来た。


 「この程度か?せっかく軍を出しやがって開戦してきたのに、俺をがっかりさせんな」炎王は水王を蔑む。



 その浅ましい言葉を受けたレイサックは、頭に血がのぼった。彼は何の戦略も考えず、馬を操り、ラーカインに上から剣を振る。



 「愚かな者」炎王は呟いた。彼はレイサックの剣を受け、空いている手は炎を操り、レイサックを攻撃すると、水王は愛馬から落とさせた。

 
 「アッ!」レイサックは、背中が地面に触った途端に、直ぐ立とうとした。だが、炎の剣の切先からの熱さが、彼の首元に伝わり、レイサックの動きが止まった。


 さっき、レイサックが馬から落ちた瞬間に、ラーカインは素早く追いつけて、馬から降りて、レイサックの首元で剣をピタリ止めた。


 水王の命は今炎王の手の中。剣を振らなくても、単に剣をもっと奥に刺せば、レイサックが死ぬ。


 ラーカインはレイサックの顔を見つめる。今、レイサックを殺せば、自分の心の混乱も収まるかもしれないと炎王が考える。緊張の時間が経ち、ラーカインはレイサックに告げる。



 「帰れ。軍を引け。今のお前は俺の敵にならん!」炎王は水王の首元から剣を引く。


ラーカインはレイサックを殺さない。
いや・・・殺せない。
それは、炎王の今一番の悩み。

これまでのことを考えると、

レイサックは絶対に彼のモノにならない。

レイサックを殺せば、レイサックはずっと彼のモノになる。誰も触られたりしない。

それは炎王が開戦するまでに考えていた。
『レイサックを殺す』と。


だが、レイサックを殺そうとする瞬間に、ラーカインはとどめを刺しなった・・・刺せなかった。



 ラーカインは、その混乱を言葉に出せずに、レイサックを後ろにし、馬に戻ろうとする。しかし、その無防備の瞬間、レイサックは見逃さなかった。水王は力で炎王の動きを止めさせた。



 「戦争で気を抜くことは禁物だ、ラーカイン。俺の力では貴様を長く止められないが、俺の全部の力を呼ぶ時間としては十分だ。俺の命をかけても、お前を殺す」レイサックは身体の中に流れている力を呼び出す。


 このままの状態で、いくらラーカインでも死に至る。だが、力を遣うレイサックも死から避けられるまい。


==3月26日更新==

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