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FATE【BL】
第31話 2頁
 水と風帝国同盟の軍は、レイサックが報せた通りに、水帝国と炎帝国の帝国境で、弦月の前夜から軍を張っていた。


 前炎王の墓からかなり離れているが、前に行ったところと同じ風景で、緑が多い場所であり、鮮やかな色の花草が地面に広がっている。


 だが、今両方の兵は誰もその美しさを味わっていない。



 水帝国の紋章である『竜』と、風帝国の紋章である『天馬』が、青と緑色の旗に書かれている。金色の紋章の旗は風にたなびいている。


 一方、防御側となる炎と土帝国同盟は、二色の赤と紫の旗であり、金色の『鳳凰』と『狼』が書いてある。



 どちらも五十万人位の兵であり、人数だけみれば、どちらが勝負か決めにくい状態である。



 そして、弦月の日の朝日が来たとともに、中軍にいるレイサックは上げた手を下げる。と、水と風帝国同盟の前軍は敵に向かって進撃し始める。



 水と風帝国同盟の前軍には、二人の風帝国と水帝国の大将が、一緒に軍を支配している。それに対し、炎と土帝国同盟には、フェガー炎帝国の大将は、軍を支配している。お互いの前軍と前軍が攻撃し合い、剣と力等がたくさん遣われて、さっきの華やかな自然は、いったん血の海に変わった。


 二人の大将の方が強く、それで、お互いの前軍の争いの結果は、レイサックとアルタイルらの軍が圧勝した。


 前軍が前に進んでいることを見ると、レイサックは中軍を出発すると命じた。勿論、彼とアルタイルもその中軍とともに、敵と戦い、徐々に敵の中軍へと進む。



 後ろに下がりながら戦っている炎と土帝国の前軍の様子は、全て中軍にいる土王と炎王に観察された。

 小さな崖の上に二王は軍馬に乗っており、ラーカインは赤毛の愛馬で、バーナッドは黒毛の愛馬である。その様子を見たラーカインは最初に意見を言い出す。


 「悪くない。これで、ますます楽しくなるぜ」圧勝されたものの、ラーカインの顔は楽しそうに見える。


 「そうですね。相手の中軍の将軍はもう出てきましたので、どうしますか?」バーナッドはレイサックの戦略はなかなか悪くないと同感である。


 「もちろん。行こう!バス!」ラーカインは手を上げると、周りの中軍が前に進み始める。


==3月18日更新==

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