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FATE【BL】
第30話 4頁
 「そなたにも報せが届いたようですね。ラーク」尋ねたのはラーカインの親友であるバーナッド。


 ラーカインは、今日バーナッドがここに来ると考えたため、突然、現れたバーナッドに全く驚かず、ただ質問に答えた。


 「うん。俺の領域に突破するとは、お前より俺を憎んでいるだろう。だが、ゲリラ作戦を使わないで、報告する方法を使うのは、自信満々だな」炎王は嫌味な声で、水王について話した。



 バーナッドは親友の肩を叩き、レイサックの性格を説明した。

 「若者ですから。短気で早く始末したいでしょう。そなたはどうします、ラーク?」いつもならばラーカインにとって、この質問は完全に無用で、『全部殺す!』という答えが決まっているから。しかし、今回は違うとバーナッドは思う。



 「決まっているだろう?俺は全力で戦う。力の差をレイサックに教えてやる!」戦いが好きなラーカインは戦争のことになると、相変わらず興奮する。

 だが、これまでの戦いと違い、『レイサックを殺す』という言葉は、炎王の口から一度も出ていなかった。

 
 土王は親友の心を理解している。ラーカインはレイサックを殺したくないが、この戦争は避けられないだけ。

 「分かりました。では、今回正式に敵だと回された私も、そなたと一緒に『中軍』になります」いつも後軍や援軍として参加していたものの、今回は例外でバーナッドは自ら望みを述べた。
 

 
 だが、その望みの裏には他の理由がある。ラーカインは理由を隠そうとしている親友をからかう。


 「ありがとう、バス。けど、お前が中軍になりたがっている理由は、あのアルタイルめだろう?俺がアイツを殺してしまうから。ハハハ」ラーカインは笑いながら、聞いた。



 隠そうとしている秘密に、ラーカインに全てを見通させてしまった。バーナッドは少し驚いたような表情に変わった。


 「流石私の親友、その通りです。ラーク」心を見抜かれて、バーナッドはおどおどした笑みを浮かべた。


 「ちゃんとみとけ。俺はアイツの無礼な行動を二度と許さんから」炎王は意地悪く土王に注意した。

 分かった合図としてバーナッドは頷いた。


 すると、笑っている炎王が突然黙り込んだ。親友の顔を真面目に見つめ、二王の間短い沈黙の時間が経ち、ラーカインは独り言を言い出す。

 「レイサックのこと、礼を言う」強い声は真剣に言う。

…………

3月13日更新

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あきゅろす。
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