FATE【BL】
第23話 6頁
風王が九百歳の時にレイサックと出逢った以来、他の人に愛をあげていなかった。
勿論、風帝国の皇太子として、 周りには数え切れない美人がいたが、彼にとっては興味のないもの。
何人もすすめられたが、「アディスがいるから、皇太子の問題はない」といつも理由として拒んでいた。
しかし、二百年前に、当時水王であったチャナックからカリナ姫との婚約申し込みを受けた。否定する理由が見つからないアルタイル風王が、その婚約申し込みを受け取ってしまった。
それで、風帝国の側近たちもある程度静かになり、水帝国との関係ももっと深くなり、アルタイルにとっては絶好の機会であった。
彼からの婚礼依頼が無い限り、結婚することはないであろうと楽観的に思っていた。
だが、前月にレイサックに対する気持ちが抑えきれなかったせいで、悪夢のような展開になってしまった。
また、今やその悪夢の続きが目の前にある。
風帝国の最大の敵であるバーナッド土王に毒を飲ませられ、犯させられそうなあり様に!
相手にレイサックに対する思いを伝えれば、やめさせるかもしれないとアルタイルは思った。
けれども、風王の願いを聞いたバーナッドは短く答える。
「お断りします」と言い、右手をアルタイルの両手から離し、下半身の股間に辿る。
服が先に破られたから、アルタイルの上半身は丸見え。
バーナッドは形のよい胸を舐めながら、右手も破られた服の下に這わせた。
その怪しげな行動にアルタイルは叫んだ。
「ちょ…ちょっと!やめろ!!オレはロスの所へ…う…あ…や…」
感じやすいところが上手に弄られ、怒鳴っていたアルタイルから思わず甘い声が漏れた。
初めて他の人に触られ、風王も自分の声に驚いた。
敵の前に弱みを吐くにはアルタイルが恥ずかしく思い、声が漏れないように、唇を噛む。
バーナッドは浮かんだ快感を必死に抑えている風王を見詰め、話した。
「声を聞かせてください。ココはずっとあの若水王に思って、我慢していたでしょう。触られたら、直ぐ反応しました。私はずっと影からそなたを見ていた。そなたがあの若水王を見る目と、私がそなたを見ている目はぴったり同じです。皮肉ですね」
バーナッドは嘲笑い、右手はまだ止まらず、むしろ、早さが増えてきた。
自分の身体が反応したとは事実で、それを聞いたアルタイルの顔は真っ赤になり、誤魔化すように大きい声で言った。
「か…関係ないだろう!う…やめ…貴様には触られたくない!う…や…あ」アルタイルは再び唇を噛んだ。
バーナッドの手の動き方が上手で、ずっと我慢していた快感が一気に起動され、アルタイルは我慢の限界に至る。
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